日曜朝の礼拝「自分の十字架を背負う」

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自分の十字架を背負う

日付
説教
望月信牧師
それから、イエスは皆に言われた。「わたしについて来たい者は、自分を捨て、日々、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを救うのである。人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の身を滅ぼしたり、失ったりしては、何の得があろうか。」(23~25節)ルカによる福音書 9章21節~27節

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 「わたしについてきたい者は、自分を捨て、日々、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい」。非常に印象深く、重たい御言葉です。「自分の十字架」と言われていて、自分が負うべき何かの重荷を背負って、主イエスに従うということです。

 主イエスは、多くの苦しみを受け、ユダヤ人からしりぞけられて殺されることを弟子たちに告げられました。それが主イエスご自身の十字架です。その同じ十字架を背負うのではありません。主イエスは私たちの罪の贖いのために死なれました。神の御前に罪人である私たちに代わって神の呪いを受けて殺されたのです。主イエスの十字架は私たちの贖いのための死であり、何の罪もない、神の御前に責められるべきところのない、けがれなきお方だけが引き受けることができるものです。

 その点で、主イエスの十字架とは違う、私たちの十字架です。けれども、主イエスに従う生き方です。主イエスは弟子たちにキリスト者としての生き方を教えておられます。いや、それはキリスト者だけでなく、すべての人にとって、そうすべき真実の生き方です。主イエスの十字架は私たちのためのものでした。主イエスは、ご自分のためではなく、私たちのため、すなわち、他者のために十字架につけられました。「自分の十字架」とは、「自分のための十字架」ではありません。他者のために背負われるものなのです。自分の利益を求めて背負うのではありません。他者のために背負う十字架が私たち一人ひとりに与えられている。他者のために苦しみ、他者のために労苦して、背負う十字架です。

 自分の人生だから、自分の好きなように生きてよいではないか。そう思われるかもしれません。しかし、ただ自分の楽しみや欲望を満たすために生きるのであるならば、心にむなしさを感じて、人生に失望することになりかねません。「この方の人生は輝いているな」と思って、私たちがあこがれるのは、人のために生きている方の姿ではないでしょうか。ですから、人のために労苦を喜んで背負い、人を慰め励まして生きるところに、喜びに満ちた人生があるのではないでしょうか。

 他者のために生きる。それは何よりも神のために生きる、主イエスのために生きる、ということです。主イエスはご自分の命まで差し出して、罪の赦しと新しい命の恵みを私たちに与えてくださいました。主イエスご自身、命を失い、命を救われたのです。それゆえ、主イエスのために「命を失う者は、それを救う」と約束されます。そして、主イエスのために命を失うとは、人のために生きるということでもあります。実のところ、「自分の十字架」とは、多くの場合、私たちの人間関係の中で与えられます。私たちは人間関係の中で自分の十字架を背負うのです。

 私たちは、多くの人間関係を与えられて、生かされています。それは、いつも良好であるとは限らず、心を磨り減らすようなことがあるでしょう。「十字架」と言うべき重荷、犠牲を強いられるものとなることもあるのです。だれであれ、そのような人間関係が生けるまことの神から与えられています。そこに「自分の十字架」を見いだすことが大切です。その方のかたわらに立ち、その方のために苦しみ、それが、実のところ、自分自身が主イエスに従う者として整えられる道なのです。

 この十字架は、刑罰としての十字架ではありません。それは主イエスがすでに背負ってくださいました。私たちの背負う十字架は、労苦がありますが、永遠の喜びと栄光に至る十字架です。主イエスはおっしゃいました。「わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである」(マタイ11:30)。主イエスのこの約束のもとで、私たちは自分の十字架を背負って主イエスに従い、とこしえの命にあずかる者とされています。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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