日曜朝の礼拝「キリスト・イエスのしもべ」

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キリスト・イエスのしもべ

日付
説教
望月信牧師
キリスト・イエスの僕であるパウロとテモテから、フィリピにいて、キリスト・イエスに結ばれているすべての聖なる者たち、ならびに監督たちと奉仕者たちへ。
わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように。フィリピの信徒への手紙 1章1節~2節

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 フィリピの信徒への手紙は使徒パウロの獄中書簡の一つです。パウロはかつてフィリピにいるときに牢獄に捕らえられたことがあり、そしてこのとき、牢獄の中からフィリピの教会に宛てて手紙を書き送ります。ですから、このフィリピ書において、牢獄に捕らえられていることは大きな意味を持っています。牢獄に捕らえられるとは、ただ具体的な地上の牢獄を意味するだけではありません。私たちはしばしば肉体の欲望に捕らえられて悩まされます。厳しいルールやノルマに縛られたり、人間関係に束縛されるということも考えられるでしょう。何よりも聖書は、私たちが罪によって捕らえられていると語ります。パウロは、ローマの信徒への手紙の中で、私たちは罪や悪が悪いものであり、斥けられるべきものであることを知り、善を望むべきことを知っているのに、善を望みながら罪を犯してしまう。望まない悪を行って、自ら罪へと転がり落ちてしまう。その苦しみを述べて、私たちが罪の奴隷になっていると語ります。

 この点で、パウロは、牢獄の中にあって、目に見える牢獄ではない、目には見えない、けれども私たちを捕らえて離さない罪という牢獄からの解放を語ります。捕らわれている私たちを解き放つ福音を告げるのです。人間は罪のゆえに本当の意味では決して自由ではない。人間が本当に自由になるためには神によって解き放たれなければならない。パウロは、その福音を告げ知らせて、この手紙を書き記しました。

 フィリピ書は、「キリスト・イエスの僕」という言葉で始まります。「しもべ」とは奴隷ということであり、パウロは自分とテモテがキリストのしもべとされていることを証しし、キリストのしもべとして生きることへと私たちを招きます。しもべであるとは、自分が自分の主人ではなく、自分を支配する真実の主人がいるということです。かつては罪が私たちを支配し、罪が私たちの主人であった。今やキリスト・イエスが私たちの主人であられる。キリスト・イエスに支配していただいて、もはやキリスト・イエスから離れることはない、というのがキリストのしもべです。

 フィリピ2章6~8節、「キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした」。キリストは神であるのにしもべの身分になられました。それは、罪の奴隷である私たちの奴隷となって、罪の奴隷になられたのです。そうして十字架につけられて、そのキリストの十字架によって罪が罪として処断され、罪が滅ぼされました。キリストは罪の奴隷となられ、しかし、罪を打ち破って復活し、勝利されました。そのキリストが私たちの主人となってくださって、罪に対する十字架の勝利が私たちに恵みとして与えられます。

 フィリピ書は「喜びの手紙、喜びの書簡」と呼ばれます。パウロ自身喜んでおり、また「喜びなさい」と言って勧める姿が印象的です。パウロは牢獄に捕らえられて、しかし、それを悲しんでいません。むしろ捕らえられているということを鍵言葉にして、自分がキリストに捕らえられていることにこそ目を向けてほしいと語ります。そして、パウロにとって、キリストのしもべであるとは喜びにほかならない。キリストが主人であってこそ、自分が主人になってしまう傲慢から解き放たれます。キリストが主人であってこそ、自分の小ささ、弱さを認め、キリストにならって小さく弱いところに目を留めて互いに配慮し、仕え合う者とされます。自らの罪の惨めさに苦しむときにも、キリストが主人であってこそ罪の赦しと神の憐れみの中で慰めと励ましをいただいて歩むことができます。キリストのしもべとして歩む。そこに私たち信仰者の確かな道があるのです。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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