日曜朝の礼拝「すべての人の救い主」

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すべての人の救い主

日付
説教
望月信牧師
イエスは彼らに言われた。「どうして人々は、『メシアはダビデの子だ』と言うのか。ダビデ自身が詩編の中で言っている。
 『主は、わたしの主にお告げになった。
 「わたしの右の座に着きなさい。
 わたしがあなたの敵を
 あなたの足台とするときまで」と。』
このようにダビデがメシアを主と呼んでいるのに、どうしてメシアがダビデの子なのか。」ルカによる福音書 20章41節~44節

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 主イエスは、詩編110編を引用して、「どうして人々は、『メシアはダビデの子だ』と言うのか」とおっしゃいました。「主は、わたしの主にお告げになった」とある、一つ目の「主」は父なる神を指し、二つ目の「主」、「わたしの主」は救い主メシアを指します。詩編の著者はダビデであり、ダビデが「わたしの主」と呼ぶのが救い主ならば、救い主が「ダビデの子(ダビデの子孫)」と呼ばれるのは、通常、祖先が子孫から敬われることを考えるならば、秩序が入れ替わっているのではないかという指摘です。「救い主メシアはダビデの子ではない」とさえ言いたい口ぶりです。実に、こう問うことによって、主イエスは、「ダビデの子」という言葉を新しい仕方で私たちに提示してくださるのです。

 ユダヤの人びとは、救い主メシアがダビデの子孫として生まれると信じ、待ち望んで、救い主のことを「ダビデの子」と呼びました。しかし、当時、地上の政治的な指導者、地上の王という意味で理解されて、地上のイスラエル王国を再建する「ダビデの子」が待ち望まれていました。一つには、その意味では、主イエスは「ダビデの子」ではない。主イエスが救い主であるとは決して地上のイスラエル王国を再建するものではなく、主イエスのご支配は剣やパンによるものでもありません。

 二つには、「ダビデの子」とは、イスラエル民族の救い主、ユダヤ人だけの救い主という意味で理解されることのある言葉です。けれども、救い主イエス・キリストはすべての民の救い主、万民の救い主であられます。その意味では、ダビデの子以上のお方にほかなりません。この点でも、主イエスが詩編110編を引用されたことが大切です。この詩編は、救い主メシアが栄光を受けて御父の右に座すことを告げています。栄光の内に御父の右に座し、それは全地を統べ治めるのです。ですから、ユダヤ人だけの救い主ではなく、すべての人の救い主であられます。

 そうすると、もはや「ダビデの子」という呼び方はふさわしくないのでしょうか。その疑問に対しては、「いいえ」と申し上げなければなりません。主イエスご自身、「ダビデの子」と呼ばれることを喜ばれました。ですから、私たちも「ダビデの子にホサナ」と賛美することができます。

 使徒パウロは、「御子は、肉によればダビデの子孫から生まれ、聖なる霊によれば、死者の中からの復活によって力ある神の子と定められたのです」(ローマ1:3,4)と言いました。主イエスは、まことの神であると同時にまことの人であるお方です。その主イエスについて、「肉によればダビデの子孫から生まれ」たと言います。こうして、「ダビデの子」とは、主イエスがただダビデの子孫、ただユダヤ人だと言い表すのではない、主イエスが肉体をとって人間として生まれたお方、まことの人であると言い表す言葉です。主イエスはすべての人の救い主として来られたお方で、ダビデの子を超えています。けれども同時に、主イエスは一人の人間としてお生まれになり、その意味で、ダビデの子であられます。主イエスは、具体的に地上を歩まれたダビデの子にほかなりません。

 主イエスが一人の人として地上を歩まれたからこそ、主イエスは、罪人の一人に数えられ、私たちの身代わりとして罪を背負うお方でありえます。そして、私たちは、その十字架を通して神の愛を知り、まことの神を知る。私たちのために独り子さえ惜しまない、その愛を具体的な仕方で知る者とされて、私たちは神を愛することへと導かれます。まことの神でありながら、救い主はへりくだってダビデの子、すなわち人間として生まれ、貧しく低い歩みを貫かれました。そのお方こそ勝利と栄光の主であられます。私たちは、この主イエスをこそ「我が主、わが神」、「すべての人の救い主」であると、声高らかにほめたたえて歩むのです。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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