日曜朝の礼拝「立ち直って生きる」

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立ち直って生きる

日付
説教
望月信 牧師
「シモン、シモン、サタンはあなたがたを、小麦のようにふるいにかけることを神に願って聞き入れられた。しかし、わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」するとシモンは、「主よ、御一緒になら、牢に入っても死んでもよいと覚悟しております」と言った。イエスは言われた。「ペトロ、言っておくが、あなたは今日、鶏が鳴くまでに、三度わたしを知らないと言うだろう。」ルカによる福音書 22章31節~34節

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 過越の食事の席上、主イエスを裏切る者がいると明らかにされたことがきっかけになり、弟子たちは、自分がいちばん偉いのだと言い合い始めました。ペトロはある種の優越感を感じながら、静かに聞いていたのではないでしょうか。主イエスにもっとも最初から従ってきたのはこのわたしだ、自分は自他共に認める一番弟子なのだ、と考えながら。

 そのペトロに主イエスが言いました。「シモン、シモン、サタンはあなたがたを、小麦のようにふるいにかけることを神に願って聞き入れられた」。心の内を見透かされたように思い、ペトロはたいへん驚いたでしょう。慌てて言いました。「主よ、ご一緒になら、牢に入っても死んでもよいと覚悟しております」。これはペトロの一番弟子としての意地から出た言葉です。また同時に、ペトロの真実の気持ちでもありました。ペトロは主イエスを愛して、最後まで主イエスに従い抜こうと考えていたのです。けれども、主イエスはご存じでした。そのペトロの覚悟が崩れる時が来るのです。「ペトロ、言っておくが、あなたは今日、鶏が鳴くまでに、三度わたしを知らないと言うだろう」。主イエスのおっしゃるとおり、このあと、ペトロは自らの言葉を裏切ることになります。ペトロのことだけではありません。人間の言葉のもろさを主イエスはご存じなのです。

 小麦をふるいにかけて揺すると、小さな粉になっている純粋なものが下に落ちて、大きな固まりであったり小石であったりが残ります。そうして、雑多なものが混じっていたことが明らかになります。「ふるいにかける」とは、そのようにして、本当の姿があらわになるということです。すなわち、ペトロの信仰が揺さぶられ、ペトロの本当の信仰があらわになる。これが自分の信仰だと思っている。その信仰がふるいにかけられて揺さぶられ、混ざっていたものが取り除かれて、本当の信仰があらわになる。するとどうなるのか。衝撃的なことですが、そこに何も残らない、ということになる。事実、このあと、ペトロは三度、主イエスを知らないと言ってしまう。まさにペトロの信仰はふるいにかけられて、何も残らなかったのです。ペトロだけではありません。ふるいにかけられると何も残らない。それが私たちの信仰のありのままの姿だということです。信仰と言えるようなものは私たちには何もないのです。

 しかし、主イエスはおっしゃいます。「しかし、わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った」。ここで主イエスはペトロのために祈っておられます。それはペトロ一人だけということではありません。ペトロが土台となって再び始まるのであり、主イエスの愛はすべての人に及びます。主イエスはすべての弟子のために祈っておられます。大切に心に留めましょう。私たちの信仰が吹き飛んでしまう、そのところで主イエス・キリストが変わることなく私たちを支えてくださっています。私たちの信仰は、この主イエスの祈り、また愛と真実に支えられています。ペトロは主イエスを裏切りました。それにもかかわらず、主イエスは十字架の御苦しみを耐え忍ばれました。そのことによって、ご自身の祈りを真実のものとして打ち立ててくださいました。そうして、十字架と復活の御業を成し遂げた上で、再びペトロをご自身のもとに招かれたのです。私たちの信仰は、徹頭徹尾、主イエスによって支えられています。

 「あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい」。「立ち直る」とは、主イエスのもとに立ち帰ることです。主イエスは、決して私たちのことを見捨てませんでした。それゆえ、私たちも主イエスの前に立ち帰ることへと互いに励まし合って歩みます。「立ち直って生きる」、それが信仰者の人生であり、また人間の生き方の真実の姿なのです。主イエスに導かれて、立ち直って生きる幸いを証しして歩んで参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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