日曜朝の礼拝「からし種と神の国」

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からし種と神の国

日付
説教
望月信牧師
そこで、イエスは言われた。「神の国は何に似ているか。何にたとえようか。それは、からし種に似ている。人がこれを取って庭に蒔くと、成長して木になり、その枝には空の鳥が巣を作る。」また言われた。「神の国を何にたとえようか。パン種に似ている。女がこれを取って三サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。」ルカによる福音書 13章18節~21節

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 からし種は大きさが1ミリもない、たいへん小さな種です。その小さな種が庭に蒔かれると成長して木になり、空の鳥が巣を作るほどの枝を張るようになる。パン種とはパンを膨らませるために加えるイースト菌のことで、麦の粉に少量加えて練り込むと全体が大きくふくらみます。どちらの場合も最初の小ささとふくらんだあとの大きさが対比されています。神の国とは神のご支配を意味し、目に見えない、場所や歴史を超えた神の民の広がりを指す言葉ですが、地上における信仰者の群れを指しても用いられます。地上の群れはたいへん小さく見えるのです。けれども、その小さな群れがやがて大きく成長するものとされます。からし種もパン種も、大きく広がりゆく神の国の姿を指し示すたとえです。

 二つのことに目を留めましょう。一つには、からし種もパン種も小さなものですが、そこには確かな命があります。からし種は蒔かれなければ命がないように思われる力ないものです。パン種も粉に混ぜて練られてはじめて力を発揮します。どちらも力が隠されているのです。神の国も、はじめは小さく、何の力も発揮できないように思われます。ところが、いったん種が蒔かれるならば、そこには神の御言葉の力があります。人を造りかえて新しくする力があります。御言葉を聞いた人を神の御前に立たせて打ち砕き、新しい命を与えることが起こるのです。

 種には命があり、すなわち、種の成長は人間の業ではありません。種自体の生命力であり、成長させるのは生けるまことの神であられます。パン種も、粉にパン種を混ぜて練り込むと人が何か別のことをしている間にふくらみます。神の国も種そのものの力、御言葉の力によって成長させられるのであり、成長させておられるのは神ご自身です。ですから、たとえ私たちには神の国の成長が目に見えるようでないとしても、主なる神がご自身の御手をもって神の国を確かに成長させてくださいます。

 そして、もう一つ、目を留めたいことは、そこに私たちが大切に用いられるということです。成長は人間の業ではありませんが、それは私たちが排除されるとか、役に立たないということではありません。主イエスが福音を宣べ伝えて、種を蒔かれました。そのお働きが使徒たちにゆだねられて、今の私たちはそれを受け継いでいます。ですから、成長させるのは神であられますが、私たちが怠惰でいてよいのではありません。私たちは種を蒔くのであり、パン種を混ぜて粉を練るのです。そうして、与えられている務めに忠実であることが求められています。一つひとつは小さな務めであっても、おろそかにすることなく取り組みます。

 福音宣教の業は、目に見えるような仕方でなかなか成果が出ず、むなしいことをしているかのように思うことがあるかもしれません。けれども、私たちが忠実に伝道するところで、主なる神が豊かな実りを与えてくださる。そのことを信じて、励んでいきたいのです。

 からし種は、一本の幹がすくっと上に伸びるという種類の木ではありません。枝と幹が区別できず、細い枝が折れ曲がりながら伸びていく。目に見えて頼もしい木ではありません。大風が吹けばしばしば枝が折れてしまう、木としてはとても弱い木です。地上における神の国とされている教会も、目に見えるところでは決して力強いものではなく、大風が吹けば枝が折れることもある、たいへん弱く小さな群れです。けれども、その群れが確かに神の国とされて、命あるもの、成長するものとされています。神の国に生きる私たち一人ひとりも小さな存在です。嵐の前にたじろいで、倒れ込んでしまうような私たちです。けれども、私たちが主イエス・キリストに結ばれて、神の御言葉に耳を傾けて生きるところに神の国が確かにあります。神の御力によって生かされているからです。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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