日曜朝の礼拝「心配してはならない」

日本キリスト改革派 鈴蘭台教会のホームページへ戻る

心配してはならない

日付
説教
望月信牧師
「人の子の悪口を言う者は皆赦される。しかし、聖霊を冒涜する者は赦されない。会堂や役人、権力者のところに連れて行かれたときは、何をどう言い訳しようか、何を言おうかなどと心配してはならない。言うべきことは、聖霊がそのときに教えてくださる。」(10~12節)ルカによる福音書 12章8節~12節

 ペトロは、弟子たちを代表して、主イエスは「神からのメシア」であると告白しました。ところが、十字架につけられる前、主イエスが捕らえられて大祭司の館に連れて行かれたとき、「この人もあのイエスという男と一緒にいた」と指摘されて、とっさに「あの人を知らない」と答えます。三度、主イエスを知らないと言って否定したのです。「主よ、御一緒になら、牢に入っても死んでもよいと覚悟しております」と言っていたペトロがいったいどうしてと思う出来事です。しかし、やがてペトロはもう一度主イエスの弟子として立たせられました。主イエスは、ペトロに三度、「わたしを愛しているか」と問いかけて、三度、「あなたを愛している」と答えさせます。三度否定したことをすっぽりと覆い隠して、主イエスはペトロをご自分のものとして立ち直らせてくださいました。

 ペトロの出来事を通して、信仰を言い表すとは、私たち人間の思いを越えている、人間の力によるものではないと思わされます。私たちが自分の信仰の歩みを振り返るときにも、そう感じられるのではないでしょうか。何か不思議な力に導かれてきたような思いがするのです。

 「人の子の悪口を言う者は皆赦される。しかし、聖霊を冒とくする者は赦されない」。これは、信仰を言い表すとは聖霊の働きによるのであり、神の御業だということです。私たちの信仰は神から与えられる賜物なのであり、聖霊なる御神の圧倒的なお働きによるものなのです。

 そのときに大切なことが悔い改めることです。聖霊が私たちのかたくなな心を打ち砕き、神の御言葉を聞く者として造り変えてくださいます。そこで起こることが、具体的には悔い改めです。神の御前にへりくだり、ひざまずいて、打ち砕かれることです。ペトロは主イエスに見つめられて泣きました。主イエスに見つめられて、自分が傲慢にも自分の力、自分の覚悟で主イエスに従うことができると考えていたことに気づきました。しかし、自分の覚悟などどれほど弱くもろいものなのか。そのことに気づいて、ペトロは打ち砕かれ、悔い改めて泣いたのです。その涙がペトロをなお主イエスのもとにとどまらせました。そうして、主イエスの愛と憐れみによって罪と弱さを覆われて、再び弟子として立たせられるに至ったのです。そこに、ペトロに働く聖霊の御業がありました。

 「人の子の悪口を言う者は皆赦される」。私たちも、「本当に神さまなんて信じているの?」と迫られて、神を恐れるよりも人を恐れることがあるかもしれません。けれども、その失敗に気づいて涙するとき、主イエスは私たちを赦して温かく迎え入れてくださいます。「しかし、聖霊を冒とくする者は赦されない」。これは、人の心を造りかえて悔い改めをもたらす聖恵の力を軽んじてはならない、否定してはならないということです。どれほど大きな罪であっても、悔い改めて罪の赦しをいただくことができます。そのことを可能にするのが聖霊です。ですから、どれほど自分のことが惨めで愚かに思われても、自分が赦されることはないと考えてはならない。また、誰かを指さしてあの人に悔い改めは期待できないなどと言ってもならない。自分についても、どなたか人のことであっても、人の心を造りかえる聖霊の御力に期待することができるのです。

 それゆえ、たとえ権力者のところに連れて行かれても心配する必要がありません。私たち自身は、その悔いる姿、神の御業に期待する姿のままでよいのです。信仰者の真摯な姿を見て、権力者の側が取り扱いを考え直してくれるかもしれません。そういうことを期待することができる、期待してよい。聖霊が働いてくださる。ですから、心配しなくてよい、心配してはならない。主イエス・キリストに背負われて、神の御前にへりくだり、悔い改めて、忍耐強く信仰の旅路を歩み続けて参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

礼拝に来てみませんか?

鈴蘭台教会の日曜礼拝は10時30分から始まります。この礼拝は誰でも参加できます。クリスチャンでなくとも構いません。不安な方は一度教会にお問い合わせください。

ホームページからでしたらお問い合わせフォームを。お電話なら078-592-6875まで。お電話の場合、一言「ホームページを見たのですが」とお伝えくださると、話が伝わりやすくなります。