日曜朝の礼拝「神の子とするために」

日本キリスト改革派 鈴蘭台教会のホームページへ戻る

神の子とするために

日付
説教
望月信牧師
しかし、時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた者としてお遣わしになりました。それは、律法の支配下にある者を贖い出して、わたしたちを神の子となさるためでした。(4,5節)
ガラテヤの信徒への手紙 4章1節~7節

この説教要約には音声ファイルはありません

 「しかし、時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた者としてお遣わしになりました」(4節)。「その御子を女から」とは、神の御子が聖霊によっておとめマリアの胎に宿り、人間の肉をとられたということです。パウロは、それを言い換えて、「しかも律法の下に生まれた者として」と言います。ここにクリスマスがあります。

 神の御子は神であられ、律法の上におられるお方です。けれども、人としてお生まれくださり、それは律法の下に置かれるということにほかなりません。人間となることにより、神の御子は律法によって裁かれ、罰せられる立場を引き受けてくださいました。降誕とは、そのような神のへりくだりの御業です。そして、それは律法の下に置かれている私たちを愛して、助け出すためにほかなりません。十字架と復活の御業によって、私たちを律法の下から解き放ち、「神の子」とするためです。

 それゆえ、主イエスの御降誕は大きな喜びであり、福音です。主イエスは、律法の下に置かれて、律法を守る困難と苦しみをご自身の身をもって味わい、ご自身の身と魂をもって、その律法を生き抜いてくださいました。しかも、律法に従順に聞き従う困難を耐え忍び、律法の求めるところをすべて満たして、律法を完成されました。それゆえ、もはや、このお方の前で律法は力を持ちません。この主イエス・キリストに結ばれて、私たちは神の子です。神の子ですから、もはや律法の下に置かれるのではありません。神の子とされ、律法から解き放たれて、天の御国を受け継ぐ者とされている。それがキリスト者にほかなりません。

 さて、このことは、律法との関係についてだけ言われるのではありません。ガラテヤの人々はもともと異邦人であり、旧約の律法を持ちません。しかし、それは律法の縄目を知らないことを意味しません。律法を持たないのですから、律法そのものは知りません。けれども、不自由であることは彼らも同じである。いや、パウロは、後見人や監督の下どころではない。彼らは奴隷であったと言います。

 「世を支配する諸霊に奴隷として仕えていました」(3節)。「諸霊」とは「初歩的な知識、基本的な教え」という意味です。そこから、常識とか一般的な習わしを指します。パウロは、この世には常識や決まり事があり、それらに縛られることがあると指摘します。それらは、理由や目的を問題にすることさえ拒否されて、ただ決まり事として受け入れられなければならない。それゆえ時として迷信的であり、宗教的でさえある。こうして、新共同訳は「世を支配する諸霊」と翻訳します。すぐに思いつくのではないでしょうか。会社や学校の意味不明な決まり事を、地域のおつきあいの意味不明な伝承を。それらは本来、良いものとして考えられたでしょう。けれども、ただ同じようにすることが求められるとき、すべては重荷になります。そのところで、主イエスが律法の下に生まれたとは、そのような決まり事に支配されるお方として生まれたということでもあり、それらをも討ち滅ぼされたということにほかならない。

 こうして、主イエスは世を支配する諸霊の下に置かれていたすべての異邦人の救い主でもあります。主イエス・キリストは、私たちをあらゆる縄目から解き放ちました。それは私たちを神の子とする自由です。私たちが置かれている社会は、こうすべきだと言われる決まり事が多く、生きにくい世の中です。人目を気にしてしまうこともあるでしょう。けれども、人は本来、人の目から自由であり、社会の決まり事からも自由です。ただ神を神として生きる。そこに人間の本質があります。そのことを知っているならば、ずいぶんと解き放たれるのではないでしょうか。私たちの本来の自由を知って、ただ神を神とあがめて歩んで参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

礼拝に来てみませんか?

鈴蘭台教会の日曜礼拝は10時30分から始まります。この礼拝は誰でも参加できます。クリスチャンでなくとも構いません。不安な方は一度教会にお問い合わせください。

ホームページからでしたらお問い合わせフォームを。お電話なら078-592-6875まで。お電話の場合、一言「ホームページを見たのですが」とお伝えくださると、話が伝わりやすくなります。