日曜朝の礼拝「恐れを捨てて主に従う」

日本キリスト改革派 鈴蘭台教会のホームページへ戻る

恐れを捨てて主に従う

日付
説教
柴田朋子神学生
そこでイエスは、そのうちの一そうであるシモンの持ち舟に乗り、岸から少し漕ぎ出すようにお頼みになった。そして、腰を下ろして舟から群衆に教え始められた。話し終わったとき、シモンに、「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われた。シモンは、「先生、わたしたちは、夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と答えた。そして、漁師たちがそのとおりにすると、おびただしい魚がかかり、網が破れそうになった。そこで、もう一そうの舟にいる仲間に合図して、来て手を貸してくれるように頼んだ。彼らは来て、二そうの舟を魚でいっぱいにしたので、舟は沈みそうになった。これを見たシモン・ペトロは、イエスの足もとにひれ伏して、「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者なのです」と言った。とれた魚にシモンも一緒にいた者も皆驚いたからである。(3~9節)ルカによる福音書 5章1節~11節

この説教要約には音声ファイルはありません

 この日朝早く、人々に話し終えられた主イエスは、ペトロに「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われます。ペトロたちは、夜の間、漁に出ていたものの、何もとれずに帰ってきて、網を洗って片付けていたのでした。もう一度網を降ろしたところで何もとれるわけがない、そうペトロは思ったことでしょう。ですがペトロは「お言葉ですから」と網を降ろすことにします。すると、網が破れそうになるほどの、おびただしい数の魚が、網の中に入ったのでした。ペトロはこの光景に驚愕します。イエスの足元にひれ伏し、「主よ、私から離れてください。私は罪深いものなのです」と言いました。ペトロは主イエスが神であることを確信させられ、主イエスに、「先生」ではなく、「主よ」と呼びかけます。そして、罪深い自分から離れてくださるようにと、主に訴えます。とっさに、主から離れようとするのです。ペトロは罪深い自分のような人間が近づくことは許されないお方であると思ったことでしょう。汚れた自分が近づくことで、主イエスを汚してはならないと考えたかもしれません。聖なる方に畏れを抱き、その方から離れなければならないというペトロの心情は、私たちにも想像できるものではないかと思います。

 ですがもうひとつ、ペトロが感じた恐れは、自分が変えられることに対する恐れでもあったのではないかと思うのです。ペトロは主イエスを神と確信し、とっさに「私は罪深い者なのです」と告白します。その時、ペトロは、主イエスによって、自分の罪が照らし出されることをも、恐れていたのではないでしょうか。その罪が、裁かれるとしても、あるいは赦されるとしても、主イエスの側にいれば、これまでの自分ではいられなくなります。そのことに対する恐れのゆえに、主イエスから離れようとしたのではないかと思うのです。

 このことは、私たちが主イエスに出会い、信仰を与えられる時にも、起こり得ることです。私たちは主イエスを知り、信じることによって罪を赦され、聖霊によって作り変えられていきます。そのことはもちろん、大きな喜びです。ですが同時に、恐れを伴うことでもあるのではないでしょうか。私たちは、変化を恐れるものです。自分の罪から解放されることが喜びである、と頭ではわかっていても、これまで生きてきた自分が否定され、変えられてしまうことは恐ろしいことでもあります。罪から離れ、主に従う者になるには、その恐れを乗り越えなければなりません。

 主イエスを恐れ、離れようとしたペトロは、主イエスに「恐れることはない。今からのち、あなたは人間をとる漁師になる」と励まされます。その励ましによって、ペトロは恐れを乗り越え、主イエスに従う決意をするのです。

 主イエスは私たち信仰者が恐れず主イエスに従うことができるよう、いつも励ましてくださいます。主なる神が、私たちをご自身のもとへと召してくださる時、古い自分を捨てて新しい自分へと変えられていく、そのことを受け入れる勇気と決断が必要です。その決断も主から与えられます。主が私たちを励ましてくださるからこそ、私たちは恐れを乗り越え、喜びをもって決断することができるのです。

 主イエスに「恐れることはない」と励まされ、シモン・ペトロと仲間の漁師たちは、主イエスに従うことを決断し、主イエスと行動をともにする弟子となりました。

 主イエスと共に過ごす中で、彼の信仰は、時に強められ、時に揺れ動きます。主イエスが五千人を満腹させた奇跡を見て、ペトロはその信仰を新たにされ、主イエスがメシアであると告白します。主イエスが逮捕された時、ペトロは三度、イエスを知らないと言います。そして主イエスは十字架で死なれ、復活し、弟子たちの前に現れます。その時ペトロは再び、主イエスに従う者となったのでした。

 私たちの信仰は、不変なものではなく、日々新しくされる必要があります。時には、恐れや疑いに襲われて、信仰が揺れ動いてしまうこともあります。そうした時であっても、主イエスは常に私たちを捕らえ、私たちの手を掴んでいてくださいます。私たちを捕らえ続ける主イエスに信頼し、恐れを捨てて主に従う決断を、日々新たにしていきたいと願います。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

礼拝に来てみませんか?

鈴蘭台教会の日曜礼拝は10時30分から始まります。この礼拝は誰でも参加できます。クリスチャンでなくとも構いません。不安な方は一度教会にお問い合わせください。

ホームページからでしたらお問い合わせフォームを。お電話なら078-592-6875まで。お電話の場合、一言「ホームページを見たのですが」とお伝えくださると、話が伝わりやすくなります。