日曜朝の礼拝「聖霊によりてやどり~使徒信条12~」

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聖霊によりてやどり~使徒信条12~

日付
説教
望月信牧師
このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」(20,21節)マタイによる福音書 1章18節~25節

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 主イエスの御降誕は、しばしば「処女降誕」と言われます。処女から子どもが生まれることはとても不思議で、人間的には興味深いものです。このことを科学的、合理的に解決することを願って、いろいろなことが考えられてきました。たとえば、生き物の中には単性生殖のものがあり、人間でもそれが起こることがあるなどと解説されることがあります。しかし、処女降誕の不思議に私たちの興味と関心が注がれてしまって果たしてよいのでしょうか。使徒信条は、福音書に基づいて、「主は聖霊によりてやどり、おとめマリアより生まれ」と告白します。主イエス・キリストのご降誕は神のくすしき御業です。聖霊の御力によって成し遂げられた、主イエスお一人だけの特殊な出来事です。自然科学などによって説明できることではなく、説明されるべきことでもありません。主イエスの御降誕は、聖霊による一回的な、唯一無二の出来事であり、どこまでも「我は信ず」と言って告白されるべき、信仰の真理にほかなりません。

 「聖霊によりてやどり」。この言葉が主イエス・キリストの地上のご生涯の最初に置かれています。「聖霊によりてやどり」であり、御降誕は聖霊の御業と言うべき事柄でもあるのです。それは、主イエス・キリストが聖霊の御力の中で地上の歩みを始められ、聖霊の御力の中でその生涯を歩み抜かれたことを意味しています。たとえば、主イエスは公生涯の初めに荒れ野で悪魔からの誘惑を受けられました。福音書に、「イエスは聖霊に満ちて、ヨルダン川からお帰りになった。そして、荒れ野の中を“霊”によって引き回され」(ルカ4:1)とあり、主イエスは聖霊の御力に守られて、誘惑と戦い、悪魔をしりぞけられました。誘惑に打ち勝つとは、主イエスにとっても聖霊の御力によってにほかなりません。

 すなわち、神の御子であり、独り子なる神であるお方さえ、地上に生まれ、地上を歩まれるに際して、聖霊に満たされ、聖霊に導かれることが必要でした。罪人である私たちは、まして聖霊を必要としている、聖霊に満たされ、聖霊に導かれることを必要とする者にほかなりません。

 主イエス・キリストは、罪もけがれもない仕方で生まれ、罪を犯すことなく地上の生涯を歩むために、特別な方法で聖霊に満たされ、聖霊に導かれまれました。それが「聖霊によりてやどり」です。しかし、今や私たちも聖霊に満たされ、聖霊に導かれて歩むことができます。それは、主イエス・キリストと聖霊によって新しく生まれる、という方法です。キリストに結ばれ、聖霊を与えられて、私たちは新しく生まれることができます。私たちは罪の中に生まれ、神に背き、神ならぬものを神としてしまう罪人です。自分の思いのままに生きてしまい、自分を神としてしまう、拭いがたい罪とけがれの中にある罪人です。けれども、聖霊によって新しく生まれることに希望があります。生けるまことの神は、そのために聖霊によって御子をおとめマリアの胎にやどらせてくださいました。今や御子イエス・キリストを信じる者に聖霊を注いで、新しく生まれる者としてくださいます。私たちは、罪と死に打ち勝つ新しい命、イエス・キリストが神の右に座しておられる神の国に生きる命を与えられるのです。

 主イエス・キリストの地上のご生涯の初めに聖霊がおられたように、私たちの信仰の生涯の初めにも聖霊がおられます。「聖霊によりてやどり」とは、まさに神が地上の世界に御手を伸べてくすしき御業を行われた、神の介入の御業です。そして、今や私たちにおいて、神の介入の御業が行われます。私たちは聖霊によって新しく生まれる者とされ、聖霊に導かれて歩みます。こうして、私たちは主イエス・キリストに似た者としてきよめられ、神の国を生きる者として整えられます。聖霊が、生涯の終わりまで、神のものとして私たちを守り導いてくださるのです。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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