日曜朝の礼拝「天と地の造り主~使徒信条7~」

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天と地の造り主~使徒信条7~

日付
説教
望月信牧師
神は言われた。「地は、それぞれの生き物を産み出せ。家畜、這うもの、地の獣をそれぞれに産み出せ。」そのようになった。神はそれぞれの地の獣、それぞれの家畜、それぞれの土を這うものを造られた。神はこれを見て、良しとされた。神は言われた。「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。」神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。(24~27節)創世記 1章24節~31節

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 汎神論の一つであるアニミズムでは、自然の事物すべてに霊が宿っていると考えられるようです。足元に転がる石ころにまで霊が宿っていて、私たち皆が神秘的な存在とされていると考えます。それに対して、キリスト教が私たち信仰者の内に聖霊が住んでくださると言う場合、私たちを神に近い、神秘的な存在にするのではありません。聖霊は、私たちを徹底して被造物であることにとどまらせ、真実の人間とします。聖霊が与えられて神を知るとは、創造主として神を知るのであり、神と区別されるべき被造物として自らを知るのです。聖霊を注がれて、私たちは何か特殊な存在になるのではありません。むしろ造られた存在であることをわきまえて神の御前にへりくだり、低くされることへと導かれます。

 さて、「天地の造り主」、「天と地」と言われます。「天」は大空を指し、「地」は大地を指します。その二つを挙げて、被造物の全体、この世界の全体を言い表しています。私たち人間は、この「天と地」のはざま、「天と地」の重なり合うところに命を与えられ、生かされています。

 古代イスラエルにおいて、「天」は大空だけでなく、その先の天使たちの世界を指していました。御使いが絶えず神を賛美している霊的な世界、非日常の世界です。今の私たちは、大空の果てに物理的にそのような空間があるわけではないと知っています。しかし、「天」という言葉で言い表そうとされたことは、私たちも受けとめることができます。

 「天と地」は向かい合っています。「天」とは私たち人間の理解の及ばぬ世界であり、非日常の世界です。それに対して「地」とは私たちが理解できる世界であり、日常の中で経験される世界です。私たちは、その「天と地」の重なり合うところに生かされています。私たちには、理解できる事柄ばかりでなく、理解を超えた事柄も多いのです。しかし、そのどちらも主なる神の被造物であり、神が造られた極めて良いもの、また神の御手の内に置かれたものです。もちろん、罪と悪は除きます。罪がこの世界に入り、地上のことどもは罪ゆえの悲惨にまみれてしまいました。しかしながら、それでもなお、私たちの日常のこと、いわゆる世俗の事柄は価値が低いとみなされるのではありません。神の御前に私たちの日常生活は重んじられます。あくせく労苦する日々の生活は尊いのです。普段経験できないことを経験することは喜ばしいことですが、しかし、日常生活で日ごとに経験することも価値あるものなのです。

 コロサイ書に、「天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも」とあります。これも「天と地」についての理解の一つです。目に見えないものとは、愛や喜び、希望、幸せなど、目には見えない、しかし価値あるものを指します。目に見えるものとは、私たちが手に触れることができる、形ある物質的なものです。動物や植物、人間が造り出したさまざまな事物も、目に見えないものに劣らず価値があるのです。こうして、目に見えない愛や希望に生きることが尊いだけでなく、肉体が与えられた身体的な存在として生きること自体にも価値があります。主なる神は私たちに霊的な糧を与え、また私たちの肉体の糧をも配慮してくださるお方です。天地の造り主を信じるとは、天と地、その両方を神からの大切な贈り物として受け止め、尊ぶことにほかなりません。

 私たち人間は、地にあって天を仰いで生きる者とされました。地上の物質的な存在であり、同時に神を知る霊的・天的な存在なのです。主イエスが教えてくださった祈りを心に留めましょう。「御心が天になるごとく、地にもなさせたまえ」。地は地でありながら、天で神がほめたたえられるように、地においても神がほめたたえられる。それが私たちの祈りです。地上を生きる神の子として、歩み続けて参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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