日曜朝の礼拝「大きな喜び」

日本キリスト改革派 鈴蘭台教会のホームページへ戻る

大きな喜び

日付
説教
望月信牧師
その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」(8~12節)ルカによる福音書 2章8節~20節

この説教要約には音声ファイルはありません

 「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる」。キリスト教信仰の特色の一つは、「喜び」ということです。「大きな喜び」とは、一時的な喜び、過ぎ去ってしまう喜びではありません。私たちの人生には悲しみや労苦が尽きません。けれども、その人生を根底から支えて、生きる力を与えてくれる喜びがあります。その大きな喜びが告げられた。それがクリスマスの出来事です。

 「その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた」。主なる神は、羊飼いたちが最初に主イエスのもとに駆けつけることを御自身の御心とされて、彼らに救い主の誕生を告げ知らせました。当時、羊飼いは複雑な事情の中に置かれていました。一方で、イスラエルの伝統的な職業の一つであり、尊敬されていました。父祖たちは家畜を飼う者であり、ダビデ王も羊飼いでした。けれども、もう一方で、当時のイスラエルでは、すでに多くの人々が町に定住する生活をしていて、家畜を飼い、放浪して生活することは時代遅れでした。生活がなかなか安定しないため、差別されることが起こっていました。羊飼いは、事実上、別の世界を生きているような存在だったのです。

 そのあらわれの一つが、ヨセフとマリアが住民登録のためにベツレヘムに向かわなければならない一方で、羊飼いは相変わらず羊の群れの番をしていたということです。彼らはローマ帝国の住民登録から漏れていました。羊の群れの番をしながら、「あの街の明るさの中には自分たちの居場所はないのだ」と嘆いていたのではないでしょうか。

 それは、実のところ、私たち自身の姿でもあります。羊飼いは、決して私たちから遠い存在ではありません。私たちも、ふとしたとき、時代から取り残されたような思いを感じることがあるのではないでしょうか。自分の労苦はいつまで続くのだろうかと、立ち止まって考え込んでしまうことがあるのではないでしょうか。わたしの居場所はいったいどこにあるのか。わたしのことを神様は見ておられるのだろうか。わたしにも神様の祝福はあるのだろうか。羊飼いたちは、悩んだり苦しんだりしてもがきながら生活する私たちの代表として、聖書に登場しています。

 その羊飼いたちに主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしだしました。二つのことを心に留めましょう。一つは、主なる神は、もがき苦しみながら生きているものを決して見捨てるお方ではありません。羊飼いたちは、主の栄光に照らされて、自分たちが決して神から見放されていないことを知ったでしょう。もう一つは、「飼い葉桶の中に寝ている」ことがまことの救い主のしるしです。「飼い葉桶の中に寝ている」とは、神の御子のへりくだりを指し示しています。神であるお方が人間となり、私たちのしもべとして歩まれ、ついには私たちの罪をすべて背負って十字架につけられてくださいました。「飼い葉桶に寝ている」とは、神の御子の低さのしるしであり、十字架のイエス・キリストを指し示しています。主なる神は、この御子の十字架によって、罪と死の力を打ち破り、私たちと共にいる、インマヌエルの神となってくださいました。

 この十字架の主イエス・キリストによって、私たちの人生は根底から支えられ、造り変えられます。そこに真実の喜びがあります。主なる神は、この新しい喜び、新しい人生の始まりを告げて、「飼い葉桶に寝ている乳飲み子を探し求めよ」とおっしゃいます。羊飼いたちが大いに喜んで「さあ、ベツレヘムに行こう」と言って歩み出したように、私たちも喜んで主イエス・キリストの御前に進み出る歩みを始めて参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

礼拝に来てみませんか?

鈴蘭台教会の日曜礼拝は10時30分から始まります。この礼拝は誰でも参加できます。クリスチャンでなくとも構いません。不安な方は一度教会にお問い合わせください。

ホームページからでしたらお問い合わせフォームを。お電話なら078-592-6875まで。お電話の場合、一言「ホームページを見たのですが」とお伝えくださると、話が伝わりやすくなります。