日曜朝の礼拝「あなたがたの喜びは何か」

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あなたがたの喜びは何か

日付
説教
望月信牧師
七十二人は喜んで帰って来て、こう言った。「主よ、お名前を使うと、悪霊さえもわたしたちに屈服します。」イエスは言われた。「わたしは、サタンが稲妻のように天から落ちるのを見ていた。蛇やさそりを踏みつけ、敵のあらゆる力に打ち勝つ権威を、わたしはあなたがたに授けた。だから、あなたがたに害を加えるものは何一つない。しかし、悪霊があなたがたに服従するからといって、喜んではならない。むしろ、あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい。」ルカによる福音書 10章17節~20節

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 喜びは、私たちの人生において欠くことのできない大切なものの一つです。人は、喜びがあってこそ活き活きと生きることができます。たとえば、家族の笑顔が喜びであり、その笑顔によって生きる力が湧いてくるということがあるでしょう。人が生きるということには根源的な力が必要であり、しかも健やかな力が必要です。そのところで、神からの喜びが人をその根源から生かす力となるのだと、聖書はそう私たちに告げています。

 この箇所には、神からの喜びとして、二種類の喜びが書き留められています。一つは、七十二人の弟子たちが携えて帰って来た喜びです。神の国の福音を宣べ伝えるために遣わされていた弟子たちは、悪霊を追放するなどして、実りを得て帰って来たようです。主イエスは、「しかし、悪霊があなたがたに服従するからといって、喜んではならない」とおっしゃって弟子たちを戒めました。けれども、「喜んではならない」とは「喜び続けてはならない」という言葉であり、喜ぶことそのものが禁じられるのではありません。21節に、「イエスは聖霊によって喜びにあふれて」とある通り、主イエスご自身、弟子たちの働きを喜んでおられました。福音の実りを見ることは、たいへん大きな喜びにほかなりません。

 主イエスが弟子たちを戒めたのは、弟子たちが勘違いしてしまっていたからです。七十二人は「わたしたちに屈服します」と言いました。何か自分に屈服させる力があると思い違いをしていたのかもしれません。悪霊が屈服したとは、決して彼ら七十二人に屈服したのではなく、主イエス・キリストに屈服したのです。ですから、「蛇やさそりを踏みつけ、敵のあらゆる力に打ち勝つ権威を、わたしはあなたがたに授けた」とおっしゃって、主イエスは、弟子たちの思い違いを正しておられます。

 この点で、収穫の主がおられること、福音宣教は神の御業であることを忘れることはできません。とりわけ、福音宣教は霊的な営みなのであり、決して私たち自身で戦うことができるものではないと、わきまえておくことが大切です。福音宣教とは、十字架と復活の主イエス・キリストの御力によってはじめて勝利することができる戦いなのです。

 もう一つの喜びは、天に名前が書き記されている喜びです。神の子とされている喜び、神の民に加えられている喜びです。主イエス・キリストによって神のものとされている喜びであり、まさに私たち信仰者にとって、根本的な、根源的な喜びだと言えるでしょう。使徒パウロは、フィリピ教会への手紙の中で、「わたしたちの本国は天にあります」(3章20節)と語りました。「私たちの国籍は天にあります」という、新改訳聖書の言葉で暗唱しておられる方もおられるでしょう。私たちの国籍、正確には市民権という言葉です、市民権が天にある。私たちは天の神の御国の市民とされているのであり、そのことを喜びとします。

 一般的に、二種類の喜びがあると言われます。一つには何かをする喜び、何かができる喜びです。能動的で積極的な喜びです。もう一つとして、存在そのものが受け入れられる喜び、居場所があるという喜びがあります。何かをする喜び、できる喜びがあってこそ、人は生きがいを感じることができます。けれども、それだけでは十分ではありません。人は愛され、受け入れられてこそ、人生が根底から支えられるからです。愛され、受け入れられて、居場所がある。そのことが平安の源となります。主イエスは、福音を宣べ伝えて神に仕える喜びによって、生きがいある人生を与えてくださいます。そして、その人生を支える根源的な喜びとして、神の子どもとされ、天の御国の市民として生きる幸いを与えてくださいます。主イエスは、その両方の喜びを私たちに差し出して、その二つともを大切にして生きるよう、私たちを招いておられます。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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