日曜朝の礼拝「収穫の主に遣わされ」

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収穫の主に遣わされ

日付
説教
望月信牧師
その後、主はほかに七十二人を任命し、御自分が行くつもりのすべての町や村に二人ずつ先に遣わされた。そして、彼らに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。行きなさい。わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに小羊を送り込むようなものだ。財布も袋も履物も持って行くな。途中でだれにも挨拶をするな。(1~4節)ルカによる福音書 10章1節~12節

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 主イエスは、十二弟子に加えて七十二人を御自身の弟子にして、福音を宣べ伝えるために遣わされました。この七十二人は、今日の一般の信徒にあたります。主イエスを信じる信徒一人ひとりが主イエスの弟子であり、福音の担い手です。七十二という数は創世記10章の諸国民の数が前提とされていて、全世界に主イエスの弟子がいるということ、また、全世界に福音を宣べ伝えるということでしょう。今、主イエス・キリストに結ばれて生きる私たち一人ひとりが、七十二人の一人として、神の国の福音を宣べ伝えるために全世界へと遣わされています。

 「全世界へ」ですが、具体的にはそれぞれ遣わされる場所があります。父を葬りたいと願い出た弟子は、自分の家族のもとへ遣わされました(9章60節)。そのように、私たちは、それぞれの家庭、職場や学校、地域のつながりの中へ、それぞれに与えられている人間関係の中へと遣わされて、福音を宣べ伝えます。そこで、大きな困難があるでしょう。父を葬りたいと願い出た弟子は、父をていねいに葬るだけでなく、福音を告げ知らせなければなりません。死を乗り越える命があると伝えます。しかし、それは人は罪ゆえに一度は死ななければならない、ということでもあります。福音を告げ知らせるとは、神の招きを語り、同時に、罪ゆえの悲惨を告げることです。ですから、耳を傾けていただけないことが起こり、誤解が生じることもある。今日の日本では、宗教的な事柄そのものが遠ざけられる状況がありますから、なおのこと知恵が求められます。私たちは、まさに祈ることから始めるほかありません。

 「途中でだれにも挨拶をするな」。これは礼儀としての挨拶ではなく、いわゆる世間話のことです。人と話をするときに話題に困ったら天気の話をしなさい、とよく言われます。わたしも天気の話をします。このことを話さなければならないと思いながら、言い出しにくくて天気の話をして、それだけで別れてしまうことがあります。天気の話に限らず、挨拶のような世間話をするだけで別れてしまうならば、福音を宣べ伝えることはできません。自らの無力さを思い知らされる場面の一つです。

 そのような、小羊のように小さく無力な私たちの姿を、主イエスはよくご存じです。「狼の群れに小羊を送り込むようなものだ」とおっしゃるのです。けれども、ここで主イエスは、小さな小羊のまま狼の中に飛び込むのでよいのだとおっしゃいます。何も、小羊なりに武器を持ちなさい、牙を研ぎなさい、とおっしゃるのではありません。普通ならば旅のために必要な財布も袋も履き物も持って行きません。それは、福音を宣べ伝えることにおいて、それらは力にならないからです。小さく無力な小羊のまま飛び込めばよい。主イエス・キリストが羊飼いであられるからです。主イエス・キリストこそ、わが力、わが助けであられる。

 「収穫の主に願いなさい」。すなわち、「収穫の主」がおられます。福音を宣べ伝えるとは、私たち人間の業ではありません。伝道は生けるまことの神の御業です。神御自身が働いてくださり、成し遂げてくださる御業にほかなりません。弟子たちは二人ずつ組にされて遣わされました。これは、ただ、二人いるならば困難を乗り越えることができるということではないでしょう。「二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいる」(マタイ18:20)からです。二人が祈りながら取り組むときに、羊飼いであるお方が共にいて、支え守り、力づけてくださいます。小羊のような無力な私たちの業が用いられ、収穫の主が働かれ、豊かな刈り入れを与えてくださいます。私たちは、この収穫の主に仕える働き手とされて遣わされています。収穫の主に信頼して、与えられたところで忠実に福音を宣べ伝えて参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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