日曜朝の礼拝「キリストの平和」

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キリストの平和

日付
説教
望月信牧師
エフラタのベツレヘムよ
お前はユダの氏族の中でいと小さき者。
お前の中から、わたしのために
イスラエルを治める者が出る。
彼の出生は古く、永遠の昔にさかのぼる。
まことに、主は彼らを捨ておかれる
産婦が子を産むときまで。
そのとき、彼の兄弟の残りの者は
イスラエルの子らのもとに帰って来る。
彼は立って、群れを養う
主の力、神である主の御名の威厳をもって。
彼らは安らかに住まう。
今や、彼は大いなる者となり
その力が地の果てに及ぶからだ。
彼こそ、まさしく平和である。(1~4節)
ミカ書 5章1節~14節

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 東方から学者たちが来たとき、ヘロデ王が律法学者たちに調べさせて、ミカ書に新しい王の誕生が預言されていることが分かりました。「ユダの地、ベツレヘムよ、お前はユダの指導者たちの中で、決していちばん小さいものではない。お前から指導者が現れ、わたしの民イスラエルの牧者となるからである」(マタイ2:6)。ミカ書5章1節の引用です。

 救い主がベツレヘムにお生まれになると告げている、その一点で、ミカ書は永遠に価値のある預言書であると言われます。これによって、幼子の主イエスがベツレヘムで生まれたことが、神の御業として成し遂げられたことであると明らかにされているからです。主イエスがベツレヘムにお生まれになったとは、決して偶然なのではありません。

 主イエスの父ヨセフと母マリアはガリラヤのナザレで生活していました。何もなければ、主イエスはそのままナザレでお生まれになったでしょう。しかし、主イエスはベツレヘムでお生まれになりました。皇帝アウグストゥスによって住民登録が命じられたからです。しかも、自分の祖先の家ごとに登録しなければならない。タイミングも絶妙です。マリアが身ごもっていて、間もなく月が満ちる、そういう時期なのです。ふつうならば旅をするなど考えられないでしょう。けれども、皇帝の命令ですから、ヨセフはマリアの体をいたわりながら、ヨセフの祖先の出身地、故郷であるベツレヘムに向かいます。これは、神ご自身が介入して、ヨセフとマリアをベツレヘムへと導いておられるのです。神はまことに大きなお方です。異邦人の、しかも皇帝であるアウグストゥスさえご自分のしもべとして用いて、ご自身の計画を成し遂げられました。ですから、ベツレヘムには神の御心があり、神の意図があると、申し上げなければなりません。

 「エフラタのベツレヘム」とあります。これにより、ダビデの出身地のベツレヘムであることが明確になります。また、「いと小さき者」ベツレヘムから救い主が出るのであり、主なる神は小さい者を憐れまれるお方です。通常、小さな町ベツレヘムよりも都であるエルサレムが重んじられます。ダビデは末の弟で、通常、弟よりも兄が重んじられます。けれども、主なる神においては逆なのです。先の者が後になり、後の者が先になる。もちろん単純に逆にすればよいのではありません。神の愛と憐れみが、通常、後回しにされる人たちにきちんと届けられる。通常、排除されがちな人に神のまなざしが注がれる。そのことが大切です。

 ここには王についての古くて新しい姿があります。小さな者を憐れむ者としての王の姿、すなわち、羊飼いとしての王です。羊飼いであったダビデが理想の王と見なされるように、イスラエルにおいて王とは主なる神に仕える羊飼いであると考えられていました。しかし、いつしかそれは見失われ、政治的軍事的な手腕を発揮する王が求められるようになっていました。それをしりぞけて、預言者ミカは、羊飼いとしての王の姿を示し、やがて来られる「彼こそ、まさしく平和である」と告げたのです。

 まことの王であられる主イエス・キリストは、ご自身の命さえ惜しまず捨ててくださる良い羊飼いです。私たちの罪を身に負い、私たちの敵意と憎しみを背負って十字架につけられてくださいました。主イエスはご自身の十字架において小さい者を憐れむ神の愛を示し、罪のゆえに神の御前にけがれた者でしかない私たち、このいと小さき者をもご自分のものとしてくださったのです。ここに真の平和があります。私たちは神の御前にまさにいと小さき者であり、この愛と憐れみの主、十字架の救い主を必要としています。このお方でないならば、私たちの救いも、真の平和もありえません。ご自身の御子をベツレヘムで生まれさせた主なる神こそ、真実にほめたたえられるべき、まことの神であられます。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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