日曜朝の礼拝「だれがいちばん偉いのか」

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だれがいちばん偉いのか

日付
説教
望月信牧師
弟子たちの間で、自分たちのうちだれがいちばん偉いかという議論が起きた。イエスは彼らの心の内を見抜き、一人の子供の手を取り、御自分のそばに立たせて、言われた。「わたしの名のためにこの子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。わたしを受け入れる者は、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである。あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である。」(46~48節)
ルカによる福音書 9章46節~50節

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 主イエスの弟子たちの間でだれがいちばん偉いのかという議論が起こりました。きっかけは、多くの苦しみを受けて殺されると主イエスが告げたことでしょう。弟子たちは主イエスに疑問を抱きながら、主イエスに直接尋ねることができず、ひそひそと話していたのです。イエスというお方はユダヤ人の王、ユダヤをローマ帝国の支配から解放するお方ではないのか。さらに議論して、イエスが王であられるならば、だれが大臣なのか。それが、だれがいちばん偉いのか、ということです。弟子たちは、主イエスから隠れるようにして、ひそひそと議論していたでしょう。けれども、主イエスに隠すことなどできません。主イエスは弟子たちの心の内を見抜いて、彼らを立ち直らせようとしておられます。

 主イエスは一人の子どもの手を取り、ご自分のそば、すなわち、彼らの真ん中に立たせて、おっしゃいました。「わたしの名のためにこの子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである」。いつの時代でも、子どもというのは半人前です。主イエスの時代のユダヤにおいても、子どもは未熟な存在であり、人の数の内に数えられませんでした。主イエスのゆえに、そのような小さな者を受け入れてこそ、主イエスを受け入れる、主イエスの弟子である。ですから、小さい者、力無い者を受け入れることが求められている。まず、そう申し上げることができるでしょう。

 主イエスはそれに続いて、「あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である」とおっしゃいました。これは、いろいろと思い巡らすことが必要な御言葉であると思われます。ひとつには、小さい者は心の痛みであったり、人間の悲しさを知っている、ということがあるでしょう。小さいとは、通常、喜ばしいことではありません。子どもの頃、わたしは背が小さくて、チビだと言われることがありました。そのような意味で、小さいとはしばしば軽んじられ嘲られる理由となります。そうして、人の心の悲しみ、痛みを知っていることが大切です。人間の悲しみと痛みを知ってこそ、真実に人の上に立つことができるでしょう。小さく無力であることを知ることは、決して無益なことではありません。

 もうひとつ、小さな子どもの自由な姿を思い起こします。子どもはお友だちをつくる名人です。子どもは、性別の違いはもちろん、年齢や国籍の違いにこだわらず、自由にお友だちになります。言葉の壁さえ、決して子どもを隔てるものとなりません。そのような子どもの姿を見ていると、子どもの時期に特有の自由さがあるのだと思わされます。幼い子どもは、謙そんであるとか、偉ぶるとか、そういうことからも解き放たれています。そこに、最も小さな姿があるのではないでしょうか。

 主イエスは、主イエスの名を用いて悪霊を追い出すことを止めさせようとしたヨハネに対して、「やめさせてはならない」とおっしゃいました。ヨハネは主イエスの名前が利己的に利用されてはならないという正義感に駆られたのでしょう。しかし、主イエスは、その背後に自分を高める思いが隠れている、自分を上に立てて人を裁く、偉ぶる心がある。そのことを指摘しておられます。そのような思いを捨てて、子どもの姿を見るのです。子どもは、国籍が違おうとも、言葉が違おうとも、分け隔てなく友だちになることができます。そのような自由さがあります。

 主イエスは、神の子としての栄光に固執することなく、へりくだって最も小さい者になられました。十字架の死という、神に呪われる死さえ、耐え忍ばれました。その十字架の主イエス・キリストを見つめるとき、私たちも自らの内にある高ぶる心、偉ぶる心から解き放たれます。私たちは、ただ十字架の恵みによって神の子とされました。その恵みによって、私たちは、神の子どもとしての伸びやかな自由に生かされています。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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