日曜朝の礼拝「柔らかな心で生きる」

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柔らかな心で生きる

日付
説教
望月信 牧師
大勢の群衆が集まり、方々の町から人々がそばに来たので、イエスはたとえを用いてお話しになった。「種を蒔く人が種蒔きに出て行った。蒔いている間に、ある種は道端に落ち、人に踏みつけられ、空の鳥が食べてしまった。ほかの種は石地に落ち、芽は出たが、水気がないので枯れてしまった。ほかの種は茨の中に落ち、茨も一緒に伸びて、押しかぶさってしまった。また、ほかの種は良い土地に落ち、生え出て、百倍の実を結んだ。」イエスはこのように話して、「聞く耳のある者は聞きなさい」と大声で言われた。(4~8節)ルカによる福音書 8章4節~15節

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 種を蒔く人が種蒔きに出て行ったという、主イエスのたとえ話です。種を蒔く、それは普通は畑に蒔くものです。けれども、この種を蒔く人は、そそっかしいのか慌てているのか、いろいろなところに種を蒔いてしまいます。良い土地である畑に種を蒔くばかりでなく、ある種は道端に落ちるのであり、またある種は石地に落ちる、さらに茨のような雑草が生い茂っているところにも落ちてしまう。その結果は至極当然とも思えますが、良い土地に落ちた種以外は実を実らせるに至らない。これは、ですから、通常のお話として考えるならば、種は良い土地にていねいに蒔きましょう、という話になるでしょう。

 そうしますと、これは農作業の話なのか、いったい何をおっしゃりたいのだろうかということになる。それで弟子たちが質問すると、決して農作業の話ではなく、蒔かれる種は神の御言葉であり、神の御言葉をどのように聞くのかということであった。私たちの心の状態が土地にたとえられているのです。道端の状態であれば心が頑なで御言葉を受け付けない。石地であれば芽を出しても根を張ることができない。茨の土地であれば私たちの心に心配事やら欲望やらがあって、実が成熟するに至らない。それに対して良い土地とは神の御言葉をしっかり聞き、御言葉に聞き従うことに固く立とうとする心の状態であって、そこでこそ神の御言葉が豊かな実を結ぶことになる。主イエスは百倍の実を結ぶに至る御言葉への態度を求めておられると言うことができるでしょう。

 三つのことを心に留めましょう。一つには、自分の御言葉に対する態度を省みることが求められています。信仰者は誰でも御言葉を学び、吸収しようとする姿勢を持つのであり、基本的には皆、良い土地とされています。けれども、茨に覆われ、石地になり、道端のような心の状態になることもある。ですから、信仰の生涯を歩み抜くために、自己吟味して、御言葉に対する自分の態度を省みることが欠かせません。

 自分の態度を吟味するだけでは、私たちは不安に陥るかもしれません。そこで二つめに、種そのものに注目しましょう。種は種の状態では命がないように見えますけれども、種には真実には命があります。それゆえ、たとえ茨の中であっても石地であっても芽を出すのです。そして、植物そのものが根を張ることによって土地が耕されるということでもあるのです。

 三つめは、種を蒔くお方がおられるということです。農作業をするならば、種を蒔くだけでなく、土地を耕し手入れもするでしょう。種が神の御言葉であるならば、神ご自身が私たちを耕し、手入れをしてくださいます。しかもこのお方は、良い土地だけでなく、茨が生えていても石地であっても道端であっても、惜しむことなく種を蒔いてくださるお方です。収穫を期待して、土地を選ぶことなく種を蒔くのであり、このお方ご自身が畑の世話をしてくださる、私たちはそれに期待することができます。

 そこで申し上げたいことは、耕されることを喜ぶ姿勢です。私たちの心は耕されることが必要なのです。私たちの心が踏みつけられて道端のようであるなら、人の言葉に耳を傾け、柔らかな心で接することは難しいでしょう。私たちが柔らかな心で生きるためには、温かい言葉によって耕されていることが必要です。それは、主なる神が十字架のイエス・キリストによって私たちに温かい言葉をかけてくださった。私たちを愛していると、御言葉の種を蒔いて語りかけてくださった。そこに私たちが柔らかな心で生きる出発点があります。この神の愛の言葉に耳を傾けることから始めて、互いに心を耕しあう人間関係を育んで参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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