日曜朝の礼拝「虹の架かるところ」

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虹の架かるところ

日付
説教
望月信牧師
神はノアと彼の息子たちに言われた。
「わたしは、あなたたちと、そして後に続く子孫と、契約を立てる。あなたたちと共にいるすべての生き物、またあなたたちと共にいる鳥や家畜や地のすべての獣など、箱舟から出たすべてのもののみならず、地のすべての獣と契約を立てる。わたしがあなたたちと契約を立てたならば、二度と洪水によって肉なるものがことごとく滅ぼされることはなく、洪水が起こって地を滅ぼすことも決してない。」
更に神は言われた。
「あなたたちならびにあなたたちと共にいるすべての生き物と、代々とこしえにわたしが立てる契約のしるしはこれである。すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。わたしが地の上に雲を湧き起こらせ、雲の中に虹が現れると、わたしは、わたしとあなたたちならびにすべての生き物、すべて肉なるものとの間に立てた契約に心を留める。水が洪水となって、肉なるものをすべて滅ぼすことは決してない。」(8~15節)
創世記 9章8節~17節

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 主なる神はノアと契約を結び、「わたしは雲の中にわたしの虹を置く」とおっしゃいました。虹は英語でレインボウです。雨(レイン)と弓(ボウ)から成り立つ言葉ですが、ただ雨上がりに現れる弓のようなものということではないそうです。弓は矢をつがえて撃ちますが、雨が矢としてつがえられて、天から大地へと雨が撃たれるといういうイメージなのだそうです。まさにノアの洪水は、主なる神が雨という矢をつがえて、雨を大地にたたきつけておられる。神の裁きの矢が雨あられとして降り注ぐ。そうして雨がやみ、虹があらわれる。それは、主なる神が戦いを終えて、弓を大地に置いてくださる。そうして、弓が大地に置かれたイメージ、戦いが終わったイメージが虹である。それがレインボウと呼ばれるのだそうです。まさに主なる神は、戦いを終え、裁きを終えて弓を置いてくださり、その置かれた弓を契約のしるしとしてくださいました。

 この契約は契約としては奇妙なものです。一つには、ノアとその家族だけでなく、まだ生まれていないノアの子孫、さらにすべての生き物まで契約の対象に含まれます。「わたしと大地の間に立てた」とさえおっしゃいます。果たして大地と契約を結ぶことができるのでしょうか。けれども、ノアにしても主なる神の被造物に過ぎません。造られた者が造り主であるお方と契約を結ぶ。それも奇妙なことなのです。けれども、その奇妙なことをあえてして、主なる神は、ノアとその家族だけでなく、後の世代の人間を、また大地をも契約へと招き入れてくださいます。

 もう一つ、この契約は、人間に対して「心に留めよ」と命じるのではありません。神ご自身が心に留めるとおっしゃいます。心に留めて、「水が洪水となって肉なるものをすべて滅ぼすことは決してない」と思い起こすのです。その意味で、虹は主なる神ご自身のためのしるしです。もちろん、私たちも虹を見て、神が思い起こしておられることを私たちも心に留めます。けれども、ここで直接的におっしゃっておられることは、主なる神ご自身が思い起こしてくださるということです。

 ですから、この契約は、神ご自身が誓いを立てておられると言うべき事柄です。それで聖書は、「契約を結ぶ」ではなく、「契約を立てる」という表現を用います。この契約は、契約の対象となり得るのかどうか分からないものを相手にして、実質的にはお一人で誓約しておられるという性質のものです。主なる神が心に留めるとだけ約束されて、もう一方の当事者には何もお求めにならず、しるしとして虹をお与えになる。本来ならば契約の対象にならないものを前にして、へりくだり、二度と洪水によって滅ぼすことはないと誓約してくださっているのです。

 それでは、私たち人間の罪はどうなるのか。神に背いて地上に悪が満ちてしまった、その罪はどうなるのか。主なる神は、時満ちてご自身の独り子を私たちに遣わしてくださいました。洪水によってではなく、御子イエス・キリストの十字架において私たちの罪を処罰し、私たちとこの大地を罪とけがれから救い出すことを成し遂げてくださった。主なる神は、愛と憐れみに満ちた仕方で虹の誓いを果たしてくださいました。

 主イエスが洗礼を受けて水の中から上がられたとき、「天がイエスに向かって開いた」(マタイ3:16)と記されます。これは天から大地へと虹が架かるような光景だったのではないでしょうか。虹をしるしとして与えた主なる神は、天と大地を結ぶ架け橋として主イエス・キリストを与えてくださいました。神の御子がへりくだり、神と人、神と大地の架け橋となってくださった。このお方によって、私たちの罪とけがれはすべて拭い去られて、もはや滅ぼされることがありません。こうして、信仰者の生きるこの大地は、神との契約の虹が架かるところとされています。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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