日曜朝の礼拝「聖霊に満たされて」

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聖霊に満たされて

日付
説教
望月信牧師
五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。使徒言行録 2章1節~4節

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 聖霊降臨を記念して、礼拝をささげています。ペンテコステは五旬祭であり、旧約の過越祭から五十日目のお祭りです。一つには、小麦や果物の収穫を主なる神に感謝する意味がありました。もう一つとして、モーセがシナイ山で律法を与えられたのが、主の過越から五十日前後の頃と推測されています。そのため、五旬祭には、十戒をはじめとする神の律法が与えられた恵みを思い起こす意味がありました。ですから、ペンテコステは、神の御言葉が与えられたことを記念し、喜ぶお祭りです。

 聖霊降臨に際して、激しい風の音が響き渡り、炎のような舌のしるしが現れたとは、律法が与えられたときの様子を思い起こさせるものです。モーセが山に登っていたとき、山は稲妻と雷鳴の轟音に包まれ、主の栄光が山の頂で燃える火のように見えました。聖霊降臨は山の上の出来事ではありませんが、大きな音が響く中で炎が現れるというしるしをともないました。聖霊降臨は、聖霊だけでなく神の御言葉を与えて新約の神の民、教会を生み出す、神の新しい御業だと言えるでしょう。

 主なる神は、「新しい契約を結ぶ日が来る」(エレミヤ31:31-34)と約束しておられました。新しい契約と言いましても、契約の内容である神の御言葉、神の御心が変わるわけではありません。内容ではなく、どのように与えられるかが変わります。かつてはモーセを通して石の板に書き記されて与えられました。それに対して、新しい契約においては、「わたしの律法を彼らの胸の中に授け、彼らの心にそれを記す」と言われます。すなわち、神の御言葉が外側から教えられるだけではなく、心の内に刻み込まれます。内側から心が造りかえられ、新しくされます。そこでは、神の御言葉がただ義務的に服従すべきものではなくなります。神の御言葉を喜ぶ心が与えられます。新しい契約とは、神に聴き従うことを喜びとするよう、私たちが造り変えられることにほかなりません。

 こうして、五旬祭には新しい契約の約束が与えられていました。「五旬祭の日が来て」の「来て」には、「満ちる、成就する」という意味があります。果たして、天からの激しい風のような音をともなって、聖霊が降りました。炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人ひとりの上にとどまるというしるしは、聖霊が神の御言葉を私たち一人ひとりの胸に授け、心の内に刻み込んでくださるお方であることを示しています。御言葉がただ外からのものとして与えられるだけでなく、それを理解し喜びとすることへと私たちの心が造り替えられます。そうして、聞くだけでなく、聴き従うこと、さらには自らの喜びとして語り伝えることへと進ませられます。また、「一同は聖霊に満たされ」とあるように、一つの群れ、一つの共同体を建て上げるものとされます。こうして、弟子たちは、かしらである主イエス・キリストを証しして、福音を宣べ伝え始めました。五旬祭は、まさに新しい契約を成し遂げる神の御業だったのです。

 この新しい契約によって、外側から与えられるものとしての律法の限界、また律法主義の限界が打ち破られました。主なる神は、外から御言葉を与えるだけでなく、聖霊によって私たちの内側に住み、私たちを主イエス・キリストと一つにして、私たちを内側から造り替えてくださいました。そうして、神の御言葉に形式的に従うのではなく、御言葉を喜びとして神に聴き従う幸いが与えられました。主なる神は、キリストの十字架において、神の御言葉に逆らう私たちの罪を打ち破り、滅ぼされました。それだけでなく、聖霊によって、神の御言葉を喜びとすることへと私たちの心まで造り替えてくださったのです。ペンテコステは、この神の御業に心から感謝し、御言葉が与えられている幸いを喜ぶ時なのです。いよいよ御言葉に親しみ、福音を宣べ伝えて参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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