日曜朝の礼拝「相手を優れた者として」

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相手を優れた者として

日付
説教
望月信牧師
何事も利己心や虚栄心からするのではなく、へりくだって、互いに相手を自分よりも優れた者と考え、めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい。互いにこのことを心がけなさい。それはキリスト・イエスにもみられるものです。フィリピの信徒への手紙 2章3節~5節

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 使徒パウロは、神の恵みに基づいて心を合わせ思いを一つにするよう勧めて、この3節以下、その具体的な道筋、方法を述べています。

 まず「何事も利己心や虚栄心からするのではなく」とあって、消極的な否定の表現で教えられています。利己心とは自分の利益を求め、自分を中心に物事を考えるということです。虚栄心は、自分を見せびらかそうとしたり、自分の立場や外見を誇ろうとすることです。何かに取り組むとき、よい目的、よい志、純粋な思いで取り組みますが、そこに絶えず利己心や虚栄心が入り込んでしまいます。自分が利己心や虚栄心から逃れられない罪人にほかならないと心に留めたいと思います。

 続いて、積極的かつ肯定的な表現で教えられています。相手を自分より優れた者と考えるとは、謙そんであること、へりくだることと言えるでしょう。また、人のために配慮し、思いやることを教えています。自分のことを優先して考えるのではなく、人を大切にして配慮すること考えてこそ、自分ひとりで生きるのではない、人と共に生きる、孤独ではなく、共同的に生きる人生が実現していくのだと思わせられます。

 しかし、果たしてどのようにして、そのことが成し遂げられるのでしょうか。1節に「キリストによる励まし、愛の慰め、“霊”による交わり」とあり、信仰の一致は主イエス・キリストから来ます。ここでも「互いにこのことを心がけなさい。それはキリスト・イエスにも見られるものです」と言って、キリストを指し示します。神の御子のへりくだりと十字架の死を示して、「十字架のキリストを見よ」と言います。私たちの利己心や虚栄心、謙そんであれず、人のために配慮するよりも自分の満足を追い求めてしまう。その私たちの罪は、神の独り子であるお方が十字架につけられなければならないほどのものなのです。主イエスは、その私たちの罪と戦って十字架につけられ、死にて葬られ、しかし、罪と死の力に打ち勝ってよみがえられました。ここに私たちの希望があります。

 十字架につけられたキリストを見つめて、一つには、私たちは自分の惨めな姿に気づかせられます。自分は罪人の一人というだけでない、しばしばパウロが語るように、罪人のかしらにほかなりません。ですから、自分が人より優れていると思うのでないことはもちろん、自分を神の御前に優れた者として見いだすことなどとうていできません。

 二つには、しかし、主イエス・キリストが十字架につけられて、罪と死の力に打ち勝ってくださいました。キリストは、その勝利に私たちを招き入れてくださいます。利己心や虚栄心を遠ざけて、互いを自分より優れた者と考え、他人のために配慮することができるよう、私たちは造り変えられます。ですから、私たちは希望を持って取り組むことができます。

 5節の「それはキリスト・イエスにもみられるものです」は、文語訳では「汝らキリスト・イエスの心を心とせよ」と翻訳されていて、主イエス・キリストの心に私たちの心を重ね合わせるように教える文章でもあります。キリストが十字架につけられ、肉を引き裂かれ、血を流してくださって、私たちは罪から解き放たれました。そのキリストの心に私たちの心を重ね合わせて、それはキリストのしもべとして生きることです。そのとき、私たちは、自分の奴隷、また罪の奴隷であることから解き放たれます。自分の利己心や虚栄心から自由にされて生きることができます。自分が主人であるとは罪の奴隷であって、むしろ不自由なのです。

 キリストのしもべとして生きることによって、私たちは神の御前に自由にされて、心からの喜びをもって、相手を優れた者と考え、主にあって仕え合うことができます。互いに配慮しながら生きることができます。互いを尊び合い仕え合って、キリストのしもべとして歩んで参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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