日曜朝の礼拝「信仰の喜びと誇り」

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信仰の喜びと誇り

日付
説教
望月信牧師
こう確信していますから、あなたがたの信仰を深めて喜びをもたらすように、いつもあなたがた一同と共にいることになるでしょう。そうなれば、わたしが再びあなたがたのもとに姿を見せるとき、キリスト・イエスに結ばれているというあなたがたの誇りは、わたしゆえに増し加わることになります。フィリピの信徒への手紙 1章25節~26節

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 使徒パウロは、25節で、「こう確信していますから、……いつもあなたがた一同と共にいることになるでしょう」と言って、天の御国に憧れながらも、地上において伝道者として生きる決意を示します。「わたしが再びあなたがたのもとに姿を見せるとき」ともあって、パウロは、牢獄から解き放たれることを祈りながら、忍耐強く過ごしていたのでしょう。

 ここには、あわせてパウロの具体的な二つの祈りが書き留められています。「あなたがたの信仰を深めて喜びをもたらす」ことと、「キリスト・イエスに結ばれているというあなたがたの誇りが、わたしゆえに増し加わる」ことです。そもそもパウロがもっとも切に願っていたことは、キリストが告げ知らされること(18節)、また、キリストが公然とあがめられること(20節)でした。そのことに基づいて、パウロは具体的にフィリピの教会に仕えることを考えています。伝道者は福音を宣べ伝えて神の国に仕えますが、そのためには具体的な場が必要です。パウロはフィリピの兄弟姉妹を愛して、フィリピの群れに仕えることを願っているということです。そしてまた、「信仰を深めて喜びをもたらすように」「あなたがたの誇りが増し加わる」とあって、信仰による喜びと誇りがもたらされ、増し加えられる、そういう伝道者の働きが示されています。

 この「喜び」は信仰から来る喜びであり、キリストに結ばれて罪赦され、神の子とされた喜び、神と共に生きる者とされた喜びです。この喜びは、信仰生活を重ねる中で深められ、増し加えられ、神の御国に召し入れられて、まさに永遠に神を喜ぶ者とされます。この喜びと結びついて、「誇り」が増し加わると言います。キリストにある喜びのあるところに、キリストにある誇りもあるということでしょう。しかし、「誇る」とは「自慢する、ほかより優れていると得意になる」という意味で、信仰者にふさわしいことではないと思われるかもしれません。「誇り」と訳されるギリシア語はカウケーマで、名詞形・動詞形など新約全体で60回ほど用いられ、53回がパウロの手紙です。「喜び」と同様、「誇り」も、とてもパウロ的な、パウロが好きな言葉なのだろうと思われます。

 内容的には二種類あり、一つはしりぞけられるべき誇りです。たとえば「だれも人間を誇ってはなりません」(コリント一3:21)とあり、人間、すなわち、自分のことを誇るのであってはならないと言われます。とりわけ、私たちはただ神の憐れみによって救いの恵みに入れられました。ですから、だれも神の御前に自らを誇ることはできません。その一方で、「誇るものは主を誇れ」(コリント一1:31)、また、「わたしたちは神の霊によって礼拝し、キリスト・イエスを誇りとし」(フィリピ3:3)とあって、キリスト・イエスを誇りとするのだと言われます。誇るならば、自分を自慢するのではなく、キリストの素晴らしさを公に言い表して自慢する。これはキリストをあがめるということにほかなりません。キリストを賛美して宣べ伝える。それが主イエス・キリストを誇りとするということです。

 さらにパウロは、「だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう」(コリント二12:9)と言います。ここに恵みの大逆転があります。私たちは普通、自分の強いところを誇ります。しかし、そうではない。神は私たちの弱さにおいて働かれるのだから、誇るならば弱さを誇ろうということです。そのとき、私たちの失敗を造り変え、私たちの欠けや弱さを補ってくださるキリストがあがめられることになるからです。これこそが十字架の福音にほかなりません。自らの欠けたところ、弱いところこそ、主がお用いくださるところである。ここに私たちへの慰めがあり、また励ましがあります。キリストの十字架を誇りとして、キリストをあがめて、歩んで参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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