日曜朝の礼拝「生も死も」

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生も死も

日付
説教
望月信牧師
わたしにとって、生きるとはキリストであり、死ぬことは利益なのです。けれども、肉において生き続ければ、実り多い働きができ、どちらを選ぶべきか、わたしには分かりません。この二つのことの間で、板挟みの状態です。一方では、この世を去って、キリストと共にいたいと熱望しており、この方がはるかに望ましい。だが他方では、肉にとどまる方が、あなたがたのためにもっと必要です。フィリピの信徒への手紙 1章21節~24節

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 使徒パウロは、生きることと死ぬこととの間で板挟みになっていると言います。生きるとは、普通もちろん、だれもが生きようとするものでしょう。ところが、普通ならばだれでも遠ざけておきたい死について、「死ぬことは利益なのです」と語ります。この点でパウロは確信しています。信仰者にとって、生きることも死ぬことも、どちらも共に主の祝福である。生きるとはキリストにある命を今、この地上において生きることであり、たとえ死んだとしても、神の御国に召されて、永遠の祝福に入れられてキリストと共に生かされる。ですから、地上でキリストと共に生きることと天上でキリストと共に生きることとの間で板挟みである。

 こうして、パウロは、一方では天の御国への憧れを言い表します。もちろん地上においてもキリストと共に生きるのです。しかし、天においては、罪やけがれ、病のような地上の労苦から解き放たれ、主なる神との顔と顔を合わせるような親しい交わりが与えられます。ですから、「このほうがはるかに望ましい」と言うことになります。この天の御国への憧れは、同じ信仰者とされて、私たちにも理解できるものでしょう。

 もう一方で、しかしパウロは、「肉において生き続ければ、実り多い働きができ」と言い、さらに「だが他方では、肉にとどまるほうが、あなたがたのためにもっと必要です」と続けて、ここにパウロの結論があります。大切なことは、パウロが生きることを選び取っているということです。「あなたがたのためにもっと必要です」と言い、すなわち、パウロは自分のために生きるのではありません。自分を必要とする人びとがいるのであり、その人びとのために生きるのです。自分のことを心配している教会の仲間がいるのであり、また、パウロはキリストを告げ知らせる伝道者とされています、キリストの福音を待っている人びとがいるのです。多くの人にキリストを宣べ伝えて、救いの喜びを得させたい。そのために生きるのです。私たちは何のために生きるのか。実のところ、自分のために生きるということでは、生涯を生き抜いていく力にはならないのではないでしょうか。自分のためではなく、他者のために生きるところではじめて、私たちは生きる力を得ることができるのです。

 他者のために、それは、ただ「あなたがた」というだけではありません。20節に「生きるにも死ぬにも、わたしの身によってキリストが公然とあがめられるようにと切に願い、希望しています」とあり、神のために生きる、キリストがあがめられることを求めて生きる、そこにパウロの願いがありました。ですから、神と人のために生きる、そこに、たとえ労苦や困難、また罪とけがれがあろうとも、耐え忍びながら地上の人生を生きる根拠、理由があります。私たちも、神のために、また人のために、地上の人生を忍耐強く生き抜いていこうではありませんか。

 ある神学者が言っています。「パウロは、わたしの体はキリストの栄光が現れる劇場なのだ、と語っている」。私たちの生涯はキリストがご自身の栄光を表してくださる舞台だということです。ですから、天上に召されることに憧れながらも、忍耐強く地上の歩みを重ねます。私たちの実際の生活を考えたならば、何とうすよごれた、惨めな舞台だろうと思うかもしれません。キリストが中心というよりも、私たちの自分勝手な思いや欲望が中心になりがちな舞台かもしれません。しかし、それでいいのではないでしょうか。そうであるほかないのではないでしょうか。その中でなお、十字架のキリストによって捕らえられて、罪赦されている私たちなのです。このけがれた舞台をキリストに差し出していくときに、キリストご自身が、私たちのけがれをすべて洗いきよめて、私たちを通して、ご自身の栄光を明るく大きく輝かしてくださるに違いありません。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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