日曜朝の礼拝「福音の前進」

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福音の前進

日付
説教
望月信牧師
兄弟たち、わたしの身に起こったことが、かえって福音の前進に役立ったと知ってほしい。つまり、わたしが監禁されているのはキリストのためであると、兵営全体、その他のすべての人々に知れ渡り、主に結ばれた兄弟たちの中で多くの者が、わたしの捕らわれているのを見て確信を得、恐れることなくますます勇敢に、御言葉を語るようになったのです。フィリピの信徒への手紙 1章12節~14節

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 使徒パウロは牢獄に捕らえられていました。監禁されて、死ということが頭に浮かぶ状況であり(1:20,21)、大きな不安を感じていたでしょう。福音を宣べ伝えることができないばかりでなく、福音が危険視される懸念もありました。ですから、パウロの投獄は、普通に考えるならば、福音宣教に損失をもたらし、福音の後退をもたらすことだと思われます。ところが、パウロは「わたしの身に起こったことが、かえって福音の前身に役立ったと知ってほしい」と言います。監禁されたことが、かえって福音の前進という驚くべき出来事を引き起こしました。「かえって」とある通り、普通ならば妨げになったと思われるのに、その困難を乗り越えて進んだのです。神の福音は、人間的に見れば大きな壁にぶつかったとしか思えない状況の中で、それを打ち破ってなお進んでいく。

 一つは、「わたしが監禁されているのはキリストのためであると、兵営全体、その他のすべての人々に知れ渡」ったということです。「キリストのためである」とは、「キリストにあって」という文章です。使徒言行録16章によると、かつてパウロは、福音を宣べ伝えることで「町を混乱に陥れている」と訴えられて、投獄されました。そして、捕らえられたパウロたちが獄中で神に祈り、賛美していると、地震が起こって牢の扉が開きました。番をしていた看守たちは囚人が逃げ出したと思い、自害しようとし、パウロは「自害してはいけない」と言って引き留めます。これをきっかけにして、パウロは、通常ならば福音を告げ知らせることなどできないローマ兵に福音を告げ知らせて、洗礼を受ける者たちが起こされました。このようなことが「キリストにあって」と言われる出来事でしょう。おそらく、このような出来事がパウロに再び与えられて、キリストによる救いの御業が兵営全体に、また、ほかのすべての人びとにも知れ渡った。そうであるならば、自分が捕らわれたことは、決して福音の妨げではなく、むしろ福音の前進である、とパウロは語ります。福音は壁に妨げられることなく、新しい広がりを見せて前進するのです。

 もう一つ、パウロは、「主に結ばれた兄弟たちの中で多くの者が、わたしの捕らわれているのを見て確信を得、恐れることなくますます勇敢に、御言葉を語るようになった」と言います。パウロが捕らえられたことを見て、恐れに捕らえられ、福音を語ることを止めてしまうというのではなく、兄弟たちはかえって主にある確信を深められて、恐れることなく福音を告げ広めました。パウロは「この福音のためにわたしは苦しみを受け、ついに犯罪人のように鎖につながれています。しかし、神の言葉はつながれていません」(テモテ二2:9)と言います。御言葉の力強さの確信が強められること。これも福音の前進にほかなりません。

 私たちの身に起こる出来事が、福音の前進にとって、とても不利益なこと、マイナスに思えることがあります。しかし、そこでこそ神の御言葉の力強さ、福音そのものの持つ力を知ることができます。現在のコロナ禍も、現時点では、大きな不利益としか言うことのできないものでしょう。しかし、このことも主なる神の御計画の内に置かれています。ですから、福音そのもの、御言葉そのものが力強く働くよう、祈りをもって取り組みましょう。福音を前進させてくださる神の御業に期待しましょう。

 私たちそれぞれの人生においても、不利益なことを引き受けなければならないことがあるでしょう。しかし、それらもやがて主なる神が益へと変えてくださると信じます。主なる神は、私たちに悪いことをなさるお方ではありません。悪をも善へと造り変えてしまわれるお方なのです。人間の思いを超えてご自身の御業を成し遂げてくださる主なる神に信頼して、神に期待して、忍耐強く主に従う歩みを続けて参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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