日曜朝の礼拝「大切なことを見分けるために」

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大切なことを見分けるために

日付
説教
望月信牧師
わたしは、こう祈ります。知る力と見抜く力とを身に着けて、あなたがたの愛がますます豊かになり、本当に重要なことを見分けられるように。そして、キリストの日に備えて、清い者、とがめられるところのない者となり、イエス・キリストによって与えられる義の実をあふれるほどに受けて、神の栄光と誉れとをたたえることができるように。フィリピの信徒への手紙 1章9節~11節

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 3節から使徒パウロの祈りが書き留められていて、9~11節にはパウロの願い、祈願が記されます。祈りの内容として「あなたがたの愛がますます豊かになるように」という文章が最初にあり、「これこれになるように」、また、「それは、これこれのためだ」といったことが続く文章です。ですから、この祈りにおける願いの中心的な内容は、「あなたがたの愛がますます豊かになるように」という部分です。

 この「愛」とは、神を愛する愛であり、兄弟姉妹、隣人に対する愛でもあります。その愛が、あふれるまでに豊かになるように、という意味です。そして、パウロは、愛することには知る力と見抜く力が必要であると言います。知る力、知識とは、この世の知識を蓄えて博識になることではなく、主なる神を知る知識であり、8節で「キリスト・イエスの愛の心で」と言われるように、キリスト・イエスに示された神の愛を知ることです。信仰に基づく知識であり、主イエスを信じることによって神の愛が分かるようになります。「見抜く力、洞察」とは、直感的に真理を見抜くという面が幾分か強調されている言葉です。愛という事柄においては感覚的に感じ取られることが正しいという面もあるでしょう。ですから、知る力だけではなく、感覚的に見抜く力です。この二つの面において愛があふれるばかりに豊かになるように。パウロがこう祈るように、私たち自身も、そのように祈る者でありたいと思わされます。

 知識と感覚において神と人を愛する愛があふれるばかりとなって、「本当に重要なことを見分けられるように」なることが目指されます。さらに、それは何のためか。「キリストの日に備えて、清い者、とがめられるところのない者となる」ためである。パウロはこのことを目指して祈ります。「キリストの日」、すなわち主イエス・キリストが再び来られる日に、清い者、とがめられるところのない者とされて神の御前に立ち、裁きを受けることができるように。そのとき、私たちは羊と山羊とに分けられます。その裁きに耐えうる者でありたいと願う。神の羊でありたい。「あなたは堅く信仰に立って、愛と希望に生きる、よいしもべであった」、そのように主なる神に言っていただくことができる者でありたい。

 そのキリストの日に備えて、今を生きる。私たちの今のこの時が、現在のことだけではなく、将来のことにまで及んでいる。そのことをわきまえて、「あなたはわたしの羊である」と言っていただけるように、本当に重要なこと、大切なことを見分けることができるように、と祈る。

 そうして、重要なことを見分ける、大切なことを見分ける際に大切なことが「愛」です。ルカによる福音書10章に書き留められている、主イエスのサマリア人のたとえを思い起こします。倒れている人を介抱したサマリア人を示して、主イエスは「行って、あなたも同じようにしなさい」とおっしゃいました。8節の「キリスト・イエスの愛の心で」と言われる「愛」は、「憐れみ」と翻訳されることの多いスプランクナという言葉が用いられています。これは、サマリア人が倒れていた人を憐れに思ったという「憐れ」で、心を寄せて同情し、内蔵を揺さぶられるような痛みを感じて思わず助けてしまう憐れみです。そのようなキリストの愛と憐れみを知ってこそ、私たちの愛がますます豊かに、あふれんばかりに豊かにされて、大切なことを見分けることができるようにされます。

 私たちは、その愛の実現を祈り求め、神がそのことを成し遂げさせてくださることを信じて、ほめたたえます。主イエス・キリストを見つめて、神の愛と憐れみを知るときにこそ、愛が豊かにあふれる者とされて、何が大切であるのかを見分けて生きる者とされます。神の御心をわきまえて、キリストに結ばれて愛することを祈り求めて、歩んで参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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