日曜朝の礼拝「共に恵みにあずかる幸い」

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共に恵みにあずかる幸い

日付
説教
望月信牧師
わたしがあなたがた一同についてこのように考えるのは、当然です。というのは、監禁されているときも、福音を弁明し立証するときも、あなたがた一同のことを、共に恵みにあずかる者と思って、心に留めているからです。わたしが、キリスト・イエスの愛の心で、あなたがた一同のことをどれほど思っているかは、神が証ししてくださいます。フィリピの信徒への手紙 1章7節~8節

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 使徒パウロは、獄中にいながらも、自分のことを心配したり、自分が忘れ去られてしまうことを恐れたりするのではなく、いつも愛する兄弟姉妹のことを覚えて祈っていました。たとえ遠く離れていても、信仰者は一つだからです。「わたしがあなたがた一同についてこのように考えるのは、当然です」とあり、パウロは、互いに深く結び合わせられていることを「当然」だと言います。「あなたがた一同のことを、共に恵みにあずかる者と思って、心に留めている」とあることが大切です。「共に恵みにあずかる」とは、もちろん、主イエス・キリストから来る恵みです。パウロもフィリピの教会も、主イエス・キリストの罪の赦しの恵み、新しい命の恵みに共にあずかる者とされて、一つに結び合わせられています。

 しかし、少し不思議に思われることがあります。「というのは、監禁されているときも、福音を弁明し立証するときも」とあり、パウロは、監禁されているとき、福音を弁明し立証するときも、共に恵みの中にあるのだと言います。監禁されているとは、通常ならば、恵みとして理解されることではありません。「福音を弁明し立証する」も、裁判で証言させられることですから、普通に考えるならばよいことではありません。これらは、通常ならば災いであり、損失をもたらすものだと考えられるでしょう。それにもかかわらず、これらを恵みだと言います。

 それは、確かにパウロは体が拘束されているでしょう。けれども、福音が拘束されているのではありません。パウロは、牢獄の看守に福音を宣べ伝えたようですし、裁判の席に引き出されることによって、福音を公に証しする機会も与えられました。ですから、通常ならば損失と思われることも、自分にとっては恵みにほかならないとパウロは言います。

 「あなたがた一同のことを」とあり、パウロは、フィリピの教会も同じ神の恵みの中にあるのだと言います。すなわち、一見すると損失と思われることが、真実には恵みとして受け止められるものだったということがあるのではないか。教会の交わりも、困難を耐え忍ぶ中で、神の憐れみを味わうことが許され、成長させられることがあったでしょう。

 こうして、パウロがここで語る恵みとは、通常ならば災いや損失に思える、けれども、真実にはそこに神の恵みがある、そのような種類の恵みです。そのような恵みを、パウロは、自らの歩みに見いだし、フィリピの教会にも見いだして、共に恵みにあずかっている、と語ります。

 これは、たまたま不幸なことが幸いなことに結びついたということではありません。パウロは神の御業を見つめています。「あなたがたの中で善い業を始められた方が、キリスト・イエスの日までに、その業を成し遂げてくださる」、このことが成し遂げられているのです。私たちに対する神の御心は、私たちの状況がたとえどのようなものであっても変わりません。キリストのしもべとされて福音を宣べ伝えるパウロは、たとえ監禁されていても、福音を宣べ伝える者として用いられます。教会も、たとえ困難があっても、福音を宣べ伝える使命を果たすものとされます。人間的には損失だと思えるような苦しみ、痛みがあっても、主なる神がそれさえも益としてくださり、新しい恵みが絶えず私たちに差し出されます。私たちは、すでに、さまざまな機会にその恵みをいただいて、神の民としての歩みを支えられてきたのではないでしょうか。

 この神の恵みに共にあずかり、神の恵みの中にいる者とされて、私たちは一つです。主は一人、信仰は一つ。私たちのただ中に主イエス・キリストがおられ、一つ聖霊によって私たちは結び合わせられています。キリストの愛に基づいて、互いに愛し合い、互いに支え合い、祈り合いましょう。主イエス・キリストを仰いで、忍耐強く共に歩んで参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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