日曜朝の礼拝「感謝と喜びの源」

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感謝と喜びの源

日付
説教
望月信牧師
わたしは、あなたがたのことを思い起こす度に、わたしの神に感謝し、あなたがた一同のために祈る度に、いつも喜びをもって祈っています。
それは、あなたがたが最初の日から今日まで、福音にあずかっているからです。
あなたがたの中で善い業を始められた方が、キリスト・イエスの日までに、その業を成し遂げてくださると、わたしは確信しています。フィリピの信徒への手紙 1章3節~6節

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 使徒パウロは、あいさつに続いて、「わたしの神に感謝し」、「いつも喜びをもって祈っています」と言います。ここに示されるパウロの祈りは常識外れの祈り、たいへん驚くべき祈りです。パウロは牢獄に捕らえられていましたから、憤りや嘆き、不平不満に満ちた祈りであっても仕方ないでしょう。けれども、感謝と喜びを祈ります。また、「あなたがたのことを思い起こすたびに」とあり、牢獄の中でも人のために祈るパウロの姿に驚かされます。さらに、「あなたがたのことを思い起こすたびに、わたしの神に感謝し」とあり、あなたがたのことを思い起こして感謝が自分の心に湧き起こるのだと言います。これも決して当たり前のことではないでしょう。私たちは、人のことを思うときに、しばしば怒りや妬み、批判の気持ちで思い起こすことに傾いてしまうからです。

 大切なことは、パウロがどこを見ているかということです。「あなたがたが……福音にあずかっているからです」とあり、パウロは、福音という光を通してフィリピの人を見ていました。主イエス・キリストを通して見るということです。パウロ自身、キリストの十字架の恵みによって罪を赦され、救いの喜びの中に招き入れられました。同じように、あなたがたもキリストに捕らえられて、神の聖なる者とされている。その驚くべき事実を見るならば、人間的な事情は吹き飛び、神の恵みに対する感謝と喜びで心が満たされてしまう。福音の光を通して、主イエス・キリストを通して、人を見る。ここに信仰者の人の見方があります。

 「最初の日から今日まで」と言われます。パウロが福音を宣べ伝えてから、この手紙を書き送るまで、5、6年、長いと10年ほどの年月がたっていたと推測されています。その間、フィリピの教会の人びとは、ずっと福音にあずかり続けて来ました。そこにはもちろんフィリピの教会の人びとの労苦と忍耐があったでしょう。しかしパウロは、「神に感謝する」と言います。フィリピの人びとの労苦と忍耐の背後に神の支えと導き、神の御業を見るからです。信仰とは私たち自身の力によって成し遂げることができるものではありません。私たちを耐え忍ばせてくださるのは主なる神です。信仰とは主なる神の御業なのです。

 「あなたがたの中で善い業を始められた方が」です。「善い業」とはもちろん信仰です。これは神が始めてくださった善い業であるから、神に感謝する。そして、「キリスト・イエスの日までに、その業を成し遂げてくださると、わたしは確信しています」と言って、終わりの時までに神ご自身によって成し遂げられるのだと言います。主なる神は、時を超えて変わらないお方であり、お始めになったことを投げ出すことなく、真実に成し遂げてくださるお方です。信仰が神の御業だからこそ、私たちは神の御業の完成を信じて、待ち望むことができます。

 ここにパウロの感謝と喜びの源があります。パウロが牢獄の中にあって、なぜ感謝と喜びをもって祈ることができるのか。善い業を始められた方がおられ、その始められた業は決して投げ出されることなく、確かに成し遂げられるからです。御父は、独り子をも惜しみなく私たちに与えて十字架に引き渡されました。主なる神がその死を無駄になさるはずがありません。ですから、たとえ牢獄の中にあっても、苦しみと痛みの中にあっても、恐れと不安の中に置かれていたとしても、神への感謝と喜びは変わらない。神ゆえに、希望をもって歩み続けることができます。

 私たちの現実がたとえどんなに暗いものであっても、そこから結論を引き出すのではありません。私たちに働きかけ、私たちを罪から救い出し、造り変えてくださる主なる神に希望を見いだすのです。主なる神を信頼して、感謝と喜びをもって祈り、前を向いて共に歩んで参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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