日曜朝の礼拝「恵みと平和があるように」

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恵みと平和があるように

日付
説教
望月信牧師
キリスト・イエスの僕であるパウロとテモテから、フィリピにいて、キリスト・イエスに結ばれているすべての聖なる者たち、ならびに監督たちと奉仕者たちへ。
わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように。フィリピの信徒への手紙 1章1節~2節

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 使徒パウロは、短いあいさつの言葉を記して手紙を書き始めます。それが2節です。その特徴は神の民であるユダヤ人のあいさつの特徴でもあります。私たちのあいさつは、たとえば「おはようございます」で、「お早くからご苦労様です」というねぎらいの意味があると言われます。人間関係を気遣うあいさつで、これはこれで良いものです。それに対して、ユダヤ人のあいさつとしてよく知られるのは「シャローム」で、ヘブライ語で「平和があるように」という意味の祈りの言葉です。

 パウロの手紙を調べてみますと、ほとんどすべて、恵みと平和を祈ってあいさつとしています。使徒ペトロやヨハネも、多少言葉は違いますが、恵みと平和を祈ることによって手紙を書き始めています。ですから、およそ初代のキリスト者にとって、恵みと平和を互いに祈り合うということがあいさつになっていました。祈りの姿勢で貫かれているのです。

 まず、この祈りの姿勢を心に留めましょう。互いに祈り合う、それは互いを愛するからです。パウロは「キリスト・イエスに結ばれているすべての聖なる者たち」と呼びかけて、パウロ、テモテとフィリピにいるキリスト者を結ぶのは主イエス・キリストです。キリストの十字架と復活によって彼らはキリスト・イエスのしもべとされ、一つに結び合わせられています。それゆえ、フィリピの教会の人びとを愛して、「恵みと平和があるように」と祈ります。ここに受け継ぐべき祈りの姿があります。私たちも、キリストのしもべとされ、キリスト・イエスに結ばれて一つにされている者として、恵みと平和を祈り合うことを大切にして参りましょう。

 次に、パウロが「恵みと平和」を祈り求める点に目を留めましょう。この「恵みと平和」は、二つのことを並べているのではなく、一つのことです。恵みとは、思いがけず棚ぼた式に与えられることです。父である神と主イエス・キリストから、棚ぼた式にいただく。いろいろな恵みをいただいていますが、とりわけキリストは私たちのために十字架にかけられたお方にほかなりません。御父とキリストから与えられた恵みとは何よりも平和です。恵みは平和であり、平和は恵みである。

 私たちは、生けるまことの神によって、神と向かい合い、神に従うものとして造られましたが、神から離れ、罪を犯す者となりました。私たちが、だれか人に対してうそを言ったり、悪いことをしてしまう、それはただその人に対して罪を犯すだけでなく、造り主である神を裏切り、神に対して罪を犯すことにほかなりません。それゆえ、神との平和が失われ、私たちはしばしば良心の呵責に苦しみ、生き悩むことに陥ります。そのところで、主なる神が恵みとして平和を与えてくださった。それが主イエス・キリストの十字架です。主なる神は、キリストの十字架のゆえに私たちの罪を赦し、私たちは神と和解するものとされ、改めて神の御前に立ち、神と向かい合って生きる幸いが私たちに与えられました。これは、驚くばかりの神の愛と憐れみだと申し上げるほかありません。

 恵みと平和は一つであり、キリストが十字架につけられたあのゴルゴダにおいて、確かに成し遂げられ、私たちの手元にすでに届けられ、実現していることです。そこでなお、恵みと平和は祈り求められるべきものです。私たちがこの恵みと平和に固く立って、キリストのしもべとして生き抜くためです。自分のために「恵みと平和があるように」と祈りましょう。信仰の仲間である兄弟姉妹のために、「恵みと平和があるように」と祈りましょう。そしてまた、まだ主イエス・キリストを知らない方に「恵みと平和」があるよう祈りましょう。生けるまことの神を知る私たちは、父なる御神と主イエス・キリストからの恵みと平和を多くの方が知るように、心を尽くし力を尽くして祈る者とされています。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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