日曜朝の礼拝「先輩と後輩」

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先輩と後輩

日付
説教
望月信牧師
キリスト・イエスの僕であるパウロとテモテから、フィリピにいて、キリスト・イエスに結ばれているすべての聖なる者たち、ならびに監督たちと奉仕者たちへ。
わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように。フィリピの信徒への手紙 1章1節~2節

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 使徒パウロは、キリスト教会の歴史におけるもっとも偉大な人物の一人です。パウロは小アジアを経てフィリピで伝道しましたが、小アジアはアジアであり、海を渡った西側はヨーロッパです。パウロが伝道してフィリピに教会が建った。それはヨーロッパ最初の教会であり、そのフィリピ教会がその後のヨーロッパ伝道の拠点になりました。キリスト教が世界的な宗教であるのはキリストの十字架と復活が普遍的な力を持つからですが、それが宣べ伝えられることにおいてパウロの働きが決定的でした。

 人間が何か偉大な貢献をする、そこには何か理由があるでしょう。多くの場合、その理由や力はその人自身にあるのではありません。パウロにおいても、パウロ自身に理由や根拠があるのではない、キリストのしもべであるということにパウロの偉大な働きの理由があります。

 キリストのしもべ、キリストの奴隷とは、「強制」されるということではありません。むしろパウロは喜んでキリストの奴隷となりました。キリストの十字架に示された神の愛と恵みに捕らえられたからです。武力や経済力、権力によって人を強制し、動かすことができるでしょう。しかし、人を動かすということで何よりも大きな力は愛の力です。愛の力が本当に働いているところでは、不思議で奇跡に思われるようなことが起こるものです。愛は私たちの心に響き合います。武力や権力というものは私たちの心に響かない、一方的に強制することで終わります。しかし、愛は心に響き合い、共鳴して何倍もの力を生み出します。私たち人間の小さな愛であってもそうなのであり、まして神の愛を注がれ、神の恵みを受けたならば、何と大きな力となるでしょう。神の愛と恵みを受けて、パウロはキリストのしもべとして大きな働きを果たす者とされたのです。

 さて、テモテについて。テモテは使徒パウロによって見いだされました。フィリピに行く前に旅した小アジア地方でパウロはテモテと出会い、そのままフィリピにテモテを連れて行き、テモテをそばに置いて伝道者として育てました。パウロはテモテのことを「愛する子」と呼びました。おそらく年齢的にも父親と息子ぐらいの違いがあったのだろうと思われます。

 パウロはテモテに勧めました。「あなたは、年が若いということで、だれからも軽んじられてはなりません。むしろ、言葉、行動、愛、信仰、純潔の点で、信じる人々の模範となりなさい。……」(テモテ一4:12-14)。キリストの恵みを受けた者は、キリストの恵みのゆえに軽んじられてはなりません。年が若いということで侮られたとしても、くじけてはなりません。キリストのしもべであるということ、それが決定的だからです。

 心に留めましょう。キリストのしもべであるということは、私たちキリスト者をみな等しくします。それは、キリストによって自由とされているということでもあります。パウロは協力者であるテモテを、決して「自分の」協力者として考えていたのではありません。共に「キリストに仕える」しもべとして考えていました。それが「同労者」ということです。それゆえ、パウロは手紙の共同執筆者としてテモテの名前をあげたのです。

 私たちは、信仰生活の歩みの中でお互いに仕え合うことを学びます。その原点はキリストに共に仕えることにあります。私たちの信仰生活の長短には確かに違いがあり、パウロが先輩、テモテが後輩であるように、私たちの間にも先輩と後輩があるでしょう。けれども、キリストのしもべということが決定的です。神の愛と恵みによって捕らえられて、等しくキリストのしもべなのです。それゆえ、自らを低くし、相手を尊敬をもって受け入れ、共にキリストに仕えます。そのときに私たちの歩みがキリストを中心にして互いに愛し合い、仕え合う歩みとされます。キリストのしもべとして互いを尊び、互いに仕え合う信仰の歩みを重ねて参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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