日曜朝の礼拝「その夜、王は眠れないので」

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その夜、王は眠れないので

日付
説教
望月信牧師
その夜、王は眠れないので、宮廷日誌を持って来させ、読み上げさせた。そこには、王の私室の番人である二人の宦官、ビグタンとテレシュが王を倒そうと謀り、これをモルデカイが知らせたという記録があった。そこで王は言った。「このために、どのような栄誉と称賛をモルデカイは受けたのか。」そばに仕える侍従たちは答えた。「何も受けませんでした。」王は言った。「庭に誰がいるのか。」ハマンが王宮の外庭に来ていた。準備した柱にモルデカイをつるすことを、王に進言するためである。侍従たちが、「ハマンが庭に来ています」と言うと、王は、「ここへ通せ」と言った。(1~5節)エステル記 6章1節~14節

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 主なる神は、とても不思議な仕方で御自分の御業を成し遂げられます。「その夜、王は眠れないので」。酒宴のあとですから、酔いつぶれて寝てしまっても不思議ではないでしょう。けれども、主なる神が眠りを奪っておられるという文章です。そして、眠れないので朗読させた宮廷日誌にモルデカイのことが記されており、王は忘れていた出来事を思い出します。こうしてモルデカイはついに報いを受けます。けれども、王の用意する栄誉と称賛が報いなのではありません。「主に結ばれているならば自分たちの苦労が決して無駄にならないことを、あなたがたは知っているはずです」(コリント一15:58)。これは、ただ単に私たちに褒美が与えられて、報いられるということではありません。私たち業は小さなものですが、それが主なる神によって役立てられます。神の御計画が成し遂げられるために無駄になることなく用いられるのです。

 もう一人、ハマンも眠ることができませんでした。親しい友人と妻にモルデカイのことを嘆いて、「五十アンマもある高い柱を立てて、モルデカイをそれに吊すよう王に進言してはいかがですか」との助言を得たハマンは、さっそく高い柱を立てさせました。そうして、少しでも早くモルデカイの処刑を王に提案しようと、朝早く、王宮の庭にやって来た。

 眠れぬ夜を過ごした王は、庭にハマンがいることを知って、機先を制して言います。「王が栄誉を与えることを望む者には、何をすればよいのだろうか」。栄誉を与える相手を隠した仕方で尋ねられ、ハマンは自分のことに違いないと思い込みます。自分の望むことを求めます。王の服を着せ、王の馬に乗せて、「王が栄誉を与えることを望む者には、このようなことがなされる」と触れて回るとは、王と同じ立場にある者として扱うということです。主なる神は、ハマンのうぬぼれの心さえお用いになっておられますと思わされます。王は「ユダヤ人モルデカイに、お前が今言ったとおりにしなさい」と命じます。ハマンの驚き、動揺を、容易に思い浮かべることができるでしょう。しかも、「ユダヤ人モルデカイ」と言っていて、王はモルデカイがユダヤ人であることを知った上で親愛の情を示しています。自分の感情を抑制することを知らないハマンですが、この時ばかりは必死に自分を制し、黙々と王の命令に従います。モルデカイを馬に乗せて「王が栄誉を与えることを望む者には、このようなことがなされる」と触れて回る中で、ハマンは自分の計画が狂い始めたことに気づいたでしょう。ハマンは家に帰り、一部始終を妻と友人たちに話しますが、もはや平安は得られません。やって来た宦官によって、ハマンはエステルの酒宴に出向くように追い立てられるばかりです。

 突然、王の衣服を着せられ、王の馬に乗せられたモルデカイは戸惑うばかりだったでしょう。それでも、主なる神の御業が始まったことに気づいたものと思われます。その後、モルデカイは何事もなかったかのように自分の持ち場に戻ります。モルデカイにとって、王からの栄誉や称賛が喜びではなく、神の器として用いられることが喜びだからです。「自分に命じられたことをみな果たしたら、『わたしどもは取るに足りないしもべです。しなければならないことをしただけです』と言いなさい」(ルカ17:10)との御言葉を思い起こします。モルデカイの思いは、自分はしなければならないことをしただけです、というものだったでしょう。

 私たちは、主のしもべとして、自らに委ねられた、しなければならないことを果たします。主なる神は、その私たちの業を用いて、ご自身の摂理の御業を成し遂げていかれます。ですから、私たちの苦労は決して無駄になることはありません。主なる神に信頼して、私たちは自らの置かれている場で、一つひとつのことを主の業として常に励むのです。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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