日曜朝の礼拝「石が叫びだす」

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石が叫びだす

日付
説教
望月信牧師
 イエスがオリーブ山の下り坂にさしかかられたとき、弟子の群れはこぞって、自分の見たあらゆる奇跡のことで喜び、声高らかに神を賛美し始めた。
「主の名によって来られる方、王に、
 祝福があるように。
 天には平和、
 いと高きところには栄光。」
 すると、ファリサイ派のある人々が、群衆の中からイエスに向かって、「先生、お弟子たちを叱ってください」と言った。イエスはお答えになった。「言っておくが、もしこの人たちが黙れば、石が叫びだす。」(37~40節)ルカによる福音書 19章37節~44節

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 「主の名によって来られる方、王に、祝福があるように」。この賛美の言葉は詩編118編26節から取られています。詩編118編は、救い主メシアがエルサレムに来ることを預言するメシア詩編です。約束の救い主メシアが城門を通ってエルサレムに入る、それを喜び、出迎えて、人びとが「祝福あれ、主の御名によって来る人に」と賛美します。救い主メシアがエルサレムに入り、神の民が出迎えて賛美する光景を描いており、まさにまことの王である主イエスを迎えるにふさわしい賛美です。

 ですから、主イエスは、ファリサイ派の人びとが「先生、お弟子たちを叱ってください」と言ったとき、その求めをしりぞけられました。ファリサイ派の人びとは、群衆が熱狂的に主イエスを賛美する様子を危険に感じたのでしょう。また、ファリサイ派は主イエスがまことの王だと認めませんから、そう叫ばせたままで放っておくことはできないということでもあったでしょう。主イエスは、ファリサイ派の求めを拒んで、おっしゃいました。「言っておくが、もしこの人たちが黙れば、石が叫びだす」。

 「もしこの人たちが黙れば、石が叫びだす」。これは、真理は決して隠しておくことはできない、という意味の文章です。弟子たちが真理について沈黙すれば、普通は沈黙しているはずの石が彼らに代わって叫びだす。真理を沈黙させようとしても、真理は決して沈黙せず、明らかになる。これは真理というものの性質を言い表す言葉です。

 「主の名によって来られる方、王に、祝福があるように」。これはまさに神の真理なのです。覆い隠すことのできない真理にほかならない。それを決して沈黙させてはならないのだとおっしゃって、主イエスは、弟子たちが声高らかに神を賛美する、その歌声を喜んでおられます。

 主イエスは、エルサレムの都のために泣いて、涙を流されました。主イエスを迎えて神を賛美した人びとも、主イエスのことをすべて理解していたわけではないからです。数日後には、「この男を十字架につけろ」と叫ぶ有様だったのです。けれども、主イエスは、確かに真理を言い表していることとして喜んでくださいました。私たちも、神の真理について、どこまでも未熟で、不十分な理解しかできません。けれども、その私たちの賛美を、証を、主イエスは喜んでくださいます。ですから、私たちは、たとえ未熟であっても、賛美し、証しします。真理は、人がそれを妨げようとしても、隠そうとしても、隠し通せるものではありません。真理は必ず石をも突き破って、明らかになる。真理にはその力があります。

 そして、主イエス・キリストが神の真理です。まさに主イエス御自身が沈黙させられた真理なのだと言えるでしょう。十字架につけられ殺されるとは、沈黙させられることなのです。しかし、主イエスは、死の壁を打ち破ってよみがえられました。それは真理だからです。主イエスに神の真理がある。だから、主イエス御自身、墓の石を突き破り、死の壁をも打ち破り、復活された。主イエスは、その力がある神の真理なのです。

 私たち信仰者は、この真理を追い求めて生きる者とされています。主イエス・キリストという真理です。また、まことの神がおられる。そのことも真理です。神が生きて働いておられ、歴史を支配しておられる。そのこともまた真理です。真理は必ず明らかにされます。石をも打ち破り、死の壁をも打ち破る力があります。やがて、時満ちて、すべての人が神の真理を知る日が来ます。私たちは、その日が来るまで、主なる神を賛美して歩み続けます。未熟であっても、不十分なものであったとしても、主なる神が、賛美の言葉、証の言葉を私たちの口に授けてくださいます。石が叫びだすようにして、まことの神の真理が告げ知らせられる。その器として用いられる者とされて、主イエスに従って参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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