日曜朝の礼拝「信仰による冒険」

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信仰による冒険

日付
説教
望月信牧師
主はアブラムに言われた。
「あなたは生まれ故郷
 父の家を離れて
 わたしが示す地に行きなさい。
 わたしはあなたを大いなる国民にし
 あなたを祝福し、あなたの名を高める
 祝福の源となるように。
 あなたを祝福する人をわたしは祝福し
 あなたを呪う者をわたしは呪う。
 地上の氏族はすべて
 あなたによって祝福に入る。」
アブラムは、主の言葉に従って旅立った。(1~4節)創世記 12章1節~9節

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 創世記10、11章の系図は、天地創造と人の創造、人の罪と堕落についての総まとめのような記事です。神に応答する存在として造られた人間は、神から離れ、罪と堕落の中に陥りました。けれども、一つには、「生めよ、増えよ、地に満ちよ」との神の祝福はなお取り除かれていません。それゆえ、系図にあるとおり、人類は増え広がることを許されました。しかし、もう一つとして、人類の広がりは同時に罪の広がりでもあります。「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう」と言って、神に成り代わろうとした、バベルの塔の物語が系図の中に置かれていて、人間の歴史は神に対する罪の歴史にほかなりません。

 神がアブラハムを召し出します。これは、その系図の中から外へ、罪人の歴史の中から外へと召し出されたということです。アブラハムは、父の家を離れ、罪に覆われた人類の結びつきから離れます。この召命によってアブラハムは神の器として聖別され、遣わされます。アブラハムとその家族はカナンの土地に入りますが、「シケムの聖所、モレの樫の木」とは異教の神々の礼拝が行われていた場所だと考えられていて、カナンもまことの神を知らない土地、異教の土地にほかなりません。けれども、召し出され遣わされて、アブラハムは神の器として用いられます。「地上の氏族はすべて、あなたによって祝福に入る」。神によって遣わされて、アブラハムは祝福の源、祝福の基としての務めを果たします。

 この召命と派遣によって、アブラハムは神の祝福の担い手とされています。こうして神は、人類に与えた祝福が、罪を取り除かれて、まことの祝福となるように導いておられます。これは、ですから、ただアブラハム一人のことではなく、神の民イスラエルが神の祝福の担い手、祭司の民として用いられる始まりです。神の贖いの御業の始まりです。

 そして同様に、信仰者はひとたび罪の世界から引き出されなければなりません。信仰において私たちは人間的なことから引き離され、生活の場から召し出され、神の器として造り変えられます。主キリストに結ばれて、古い人を脱ぎ捨てて罪に死に、新しい命へと復活させられます。新しい思いでキリストに仕える者とされて遣わされます。そうして、私たちの生活の場が新しい意味を持ちます。私たちも、神の祝福をもたらす器であり、祝福の源としておのおのの生活の場に遣わされているのです。

 二つのことに心を留めましょう。一つは、神の御言葉によって召し出されることです。主なる神がアブラハムに語りかけた、その言葉に従ってアブラハムは旅立ちました。神の約束の言葉を信頼したのです。もう一つは神礼拝です。アブラハムは主なる神のために祭壇を築いて、神を礼拝しました。礼拝が新しい生活、遣わされた生活の中心となり、神の恵みと祝福のしるしとなります。主なる神の御名を呼び、礼拝をささげることが神の民としてのしるしであり、神の民の務めであり、そこに主の祝福が注がれます。そうして、すべての民の祝福の源とされるのです。

 このような神の民の人生は、私たちの知恵や力、私たちの持っているものに頼ることができませんから、私たちにとって冒険にほかなりません。けれども、決して無謀な冒険ではありません。神の御言葉に信頼し、神にゆだねるという冒険であり、神の御前に生きるというチャレンジなのです。神によって冒険するのです。人間的なものを拠り所とするのではない、神の御言葉を頼みとして生きるのだと証しします。神と人を愛することに祝福があるのだと証しします。地上の幸い、地上の祝福を追い求めるのではなく、神の御国の祝福を求めて生きるのです。こうして、キリスト者の人生観は冒険的人生観です。神の御言葉に従って旅立ち、神の祝福の源として生きる、日毎の歩みを重ねて参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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