日曜朝の礼拝「賢く生きる」

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賢く生きる

日付
説教
望月信牧師
大勢の群衆が一緒について来たが、イエスは振り向いて言われた。「もし、だれかがわたしのもとに来るとしても、父、母、妻、子供、兄弟、姉妹を、更に自分の命であろうとも、これを憎まないなら、わたしの弟子ではありえない。自分の十字架を背負ってついて来る者でなければ、だれであれ、わたしの弟子ではありえない。(25~27節)ルカによる福音書 14章25節~33節

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 26節、27節、そして33節で、「わたしの弟子ではありえない」と繰り返されています。「父、母、妻、子供、兄弟、姉妹を、更に自分の命であろうとも、これを憎まないなら、わたしの弟子ではありえない」。たいへん厳しい言葉です。思わず戸惑ってしまうかもしれません。主イエスの弟子として生きるには、父、母、妻、子どもをはじめとする家族を憎むことが必要だと言われます。これは決して家族を顧みないということではありません。主イエスを愛して、主イエスにすべてをささげて生きるためであり、「更に自分の命であろうとも」とあるように、自分の命をも憎むのです。自分にとってかけがえのない、決して手放すことができないと思われる、そういうものをも捨てることが求められています。そうして、自分の十字架を背負って主イエスに従う者とされるからです。

 このたいへん厳しい言葉に挟まれて、28節から32節まで、二つのたとえが書き留められています。一つは塔を建てるたとえです。塔を建てるならば、途中で費用が足りなくなるという愚かなことにならないよう、十分な費用があるかどうか、まず腰を据えて計算しない者がいるだろうか。ですから、工事の完成まで、すなわち終わりまでを見通す賢さが必要だということです。もう一つは戦争に出かけるたとえです。数にまさる敵を自分の兵で迎え撃つことができるかどうか、まず腰を据えて考えてみないだろうか。自分たちの戦力ではかなわないと考えられるならば、敵がまだ遠くにいる間に和を求めたほうがよい。こちらでも、終わりまで見通して考える賢さが求められていると言えるでしょう。

 主イエスの弟子として地上の人生を歩み抜くために、終わりまで見通す賢さが求められます。すなわち、家族や自分の命について、目先のことではなく、終わりの時のことを考える賢さが必要とされます。地上の人生に終わらない、天上の人生、終わりの時を考えたときに、自分にとってこれは大切だというもの、自分がかけがえないと考えるものを、もう決して手放せないと言って第一にしてしまうのか。そうして、真実には、自分の命をも家族をも失ってしまったらどうするのか。「自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを得る」(マタイ16:25)という主イエスの言葉を思い起こします。

 実のところ、私たちには終わりの時まで見通す力はありません。一日一日の生活のことで精一杯であり、終わりの時のことは神の御手の内にあります。実に、終わりの時、完成の時を見通す知恵と力は私たちのものではなく、神のものにほかなりません。ですから、ここで私たちに求められることは、神の知恵、神の御力を計算に入れることです。

 「自分の命であろうとも、これを憎まないなら」とおっしゃった主イエスは、ご自身、自らの命を憎み、それを捨ててくださいました。そして、主イエスは命を得て復活されました。主イエスが命を捨ててくださったのは、命を得るためです。私たちを愛して、私たちを獲得するために、豊かな実を結ぶために、一粒の種として地に落ちてくださいました。ここに神の知恵があるのであり、この真理を信じることに立つのです。

 父や母、妻や子、兄弟姉妹はもちろん、自分の命さえ、決して私たち自身のものではありません。ですから、私たちが握りしめてしまうのではない。真実には、主なる神のものであり、神のご配慮のもとに置かれているのです。そのことを信じて、私たちは安心して手放してよい。真実には、主なる神にこそ私たちの大切なものをお預けすべきなのです。ご自分の命さえ捨ててくださる主イエス・キリストを知って、神の御力に信頼して生きる賢さを身に着けて歩みましょう。そこに、真実に家族や隣人を愛し、また自分自身をも愛して生きる道が開かれています。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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