日曜朝の礼拝「今の時を見分ける」

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今の時を見分ける

日付
説教
望月信牧師
イエスはまた群衆にも言われた。「あなたがたは、雲が西に出るのを見るとすぐに、『にわか雨になる』と言う。実際そのとおりになる。また、南風が吹いているのを見ると、『暑くなる』と言う。事実そうなる。偽善者よ、このように空や地の模様を見分けることは知っているのに、どうして今の時を見分けることを知らないのか。」(54~56節)
ルカによる福音書 12章54節~59節

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 きれいな夕焼けを見て、翌朝はよく晴れると予想することがあるでしょう。主イエスは、あなたがたは空が移り変わり、雲が移り変わって、天候が変化することをきちんと見抜くことができるではないか、それなのに「どうして今の時を見分けることを知らないのか」とおっしゃいます。時はただ過ぎ去ってしまうのではありません。ひと時ひと時が積み重ねられていきます。コップの水が少しずつたまっていって、やがてある時あふれ出すように、時もひと時ひと時が積み重ねられて、決定的な時を迎えます。時が満ちるのです。今も、この瞬間、ひと時ひと時が積み重ねられている。どうして、そのことを見分けようとしないのか。

 主イエスは、今は途中であるとおっしゃいます。今の時は、私たちを訴える人と一緒に役人のところに行っている、その途中のようなものなのです。裁判官のもとで判決を下される。私たちの人生は、やがてそのような決定的な時を迎えます。そのとき、判決を下され、看守に引き渡され、牢に投げ込まれる。「言っておくが、最後の一レプトンを返すまで、決してそこから出ることはできない」。「一レプトン」はユダヤでいちばん小さい貨幣単位であり、今の私たちなら一円です。そして、これはその最後の一レプトンを返すことができないことが前提とされていて、決して牢から出られないという意味の慣用句です。そうならないように、今がその途中の時であることを悟り、訴える人と仲直りするがよい。

 やがて決定的な時が来る。そのことを知って、備えることが大切です。わたしを訴える人がいるならば仲直りするよう努めます。私たちは、人と共に生きて、しかし、その共に生きている人たちを傷つけてしまう、悲しみ、痛みの中に陥れてしまう。泣く人と共に泣くことができていない。私たちは終わりの時にそのことを神の御前に問われます。そうであるならば、神が私たちを訴えるのだと言えるでしょう。神が私たちの罪を指摘し、牢に投げ込みます。いったい誰がその訴えをしりぞけることができるでしょうか。そうであるならば、私たちは今の時の間に神と和解しなければなりません。神の御前に自らの過ちを悔いて、罪の赦しをいただかなければなりません。決定的な時に向かって、今の時、ひと時ひと時が積み重ねられています。そのことを知って、私たちは、共に生きる人々と仲直りし、罪の赦しを求めて生きるのであり、神の御前で罪を悔い改め、神と和解して生きることを求めなければなりません。

 しかし、主イエスの御業は不思議です。罪の赦しを請うて和解すべきである、仲直りすべきである、そのことを知りながら、仲直りをしない、先送りしようとする。それが私たちのありのままの姿です。いや、神の御前に私たちは最後の一レプトンどころか、はじめの一レプトンさえ返すことができない。神の御前に私たちはまったく何も償うことができません。その私たちのために主イエスは十字架にかけられ、ご自身を献げてくださいました。ここに、神が与えてくださる和解の御業があります。神ご自身から差し出された、和解の土台、仲直りの根拠があります。

 和解とは、私たちが求める以上に、神御自身が求めておられることなのです。神が求めておられる、ですから、私たちは自らのかたくなさを打ち砕かれて、神と和解することへと向かわされます。神が仲直りの根拠を与えて、私たちを促してくださるから、私たちは心打ち砕かれて、互いに罪を赦し合うことへと向かわせられます。そうして、私たちは与えられた仲間たちと手を取り合い励まし合って、終わりの時に向かって歩みます。和解とは、罪の赦しとは、こうして神の恵みの賜物なのです。

 主イエスは今も呼びかけておられます。「どうして今の時を見分けることを知らないのか」。これは主イエスの招きの言葉にほかなりません。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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