日曜朝の礼拝「小さな群れよ、恐れるな」

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小さな群れよ、恐れるな

日付
説教
望月信牧師
あなたがたも、何を食べようか、何を飲もうかと考えてはならない。また、思い悩むな。それはみな、世の異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの父は、これらのものがあなたがたに必要なことをご存じである。ただ、神の国を求めなさい。そうすれば、これらのものは加えて与えられる。小さな群れよ、恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる。(29~32節)ルカによる福音書 12章22節~34節

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 「小さな群れよ、恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる」。これはルカ福音書だけに書き留められている御言葉です。おそらくルカは使徒パウロと一緒に伝道旅行をする中で、この主イエスの言葉が大切に語り継がれていることを知ったのでしょう。初代教会は各地に散らされていて、それぞれの群れは今の私たちと同じような規模だったでしょう。その中で、「小さな群れよ、恐れるな」という主イエスの御言葉を言い交わして、互いに励まし合っていたのだろうと思います。

 「小さな群れよ、恐れるな」。迫害を恐れることがすぐに思い浮かびますが、「何を食べようか、体のことで何を着ようかと思い悩むな」とあるように、ここで取り上げられるのは日ごとの生活の恐れです。「寿命をわずかでも延ばすことができようか」ともあり、健康や病気のこと、老後の備えなど、生活についての私たちの不安や恐れは尽きることがありません。そして、「思い悩むな」と翻訳されていますが、思い悩むことそのものは人間にとって当然のことでしょう。ここで主イエスが戒めておられるのは、思い煩うこと、思い悩みに捕らえられて不安や恐れに支配されてしまうことです。恐れに捕らえられると、自分を守るために人に対して攻撃的になることがあり、人に対して心を閉じてしまうことも起こります。起こってくるさまざまな事柄を素直に受け止めることができないことに陥ります。いったいどうすれば、人はそのような恐れや不安から自由にされて生きることができるのでしょうか。

 その私たちの思いに答えて、主イエスはおっしゃいます。「ただ、神の国を求めなさい」。ここに、恐れや不安から自由にされて生きる秘訣があります。主イエスは続いて「あなたがたの父は喜んで神の国をくださる」と約束してくださいました。神の国をくださることが天の御父の御心だということです。私たちは、この主イエス・キリストの言葉を信じることに立つよう、招かれています。

 「烏のことを考えてみなさい」、「野原の花がどのように育つかを考えてみなさい」とおっしゃって、主イエスは、私たちの天の御父が摂理の神であられることを示されます。天の御父は今も生きて働いておられ、すべてを見通しておられるお方です。昔も今も将来をも支配しておられます。ご自身がお造りになったものを放り出してしまわれたというのではなく、今も愛して、大切に養い育み、守り導かれるお方である。最後まで責任を負い、面倒を見るお方、背負って運んでくださるお方である。空の鳥が養われ野原の花が美しく装われるならば、まして神はあなたがたのことを愛して、どれほど慈しんでくださるであろうか。思い悩みながらも懸命に生きているあなたがたに、天の御父は喜んで神の国をくださるに違いない。ですから、あなたがたはただ神の国を求めなさい。そうすれば、これらのものは加えて与えられる。そうおっしゃって、主イエスは天の御父を信頼することへと私たちを励ましてくださるのです。

 私たち自身は小さく、無力であり、先を見通すことができません。先を見通すとは人間には許されていないことなのです。私たちは、それゆえ、もちろん不安になりますし、恐れますし、思い悩みます。けれども、天の御父は先を見通しておられ、ご自身の御計画をお持ちであり、それを成し遂げるお方です。そのところで、天の御父を信頼して、父なる神にゆだねる信仰に立つことが求められています。ただ神の国を求めて生きるとは、神を神とすること、神を第一とする生き方です。主なる神をほめたたえて礼拝し、神の御心に自らをゆだねる生き方です。そこに、恐れや不安、思い煩いから解き放たれた新しい人生の道が開かれています。神にゆだねる信仰の確信に固く立って、歩み続けて参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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