日曜朝の礼拝「恐れてはならない」

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恐れてはならない

日付
説教
望月信牧師
「友人であるあなたがたに言っておく。体を殺しても、その後、それ以上何もできない者どもを恐れてはならない。だれを恐れるべきか、教えよう。それは、殺した後で、地獄に投げ込む権威を持っている方だ。そうだ。言っておくが、この方を恐れなさい。五羽の雀が二アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、神がお忘れになるようなことはない。それどころか、あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」(4~7節)ルカによる福音書 12章1節~7節

 「ファリサイ派の人々のパン種に注意しなさい。それは偽善である」。パン種とはパンを膨らませる酵母のことで、ファリサイ派の人々の中にある不幸、災いがパン種にたとえられています。少量のパン種が小麦粉に混ぜ合わせられて、パンを大きく膨らませます。そのように、ファリサイ派の人々の災いがたとえ少量でも混ざり込んでしまうと、やがて大きく膨らんで大きな災いとなり、人を滅ぼしかねない、ということです。

 ファリサイ派の人々は熱心に律法に従おうとしていました。しかし、人間には罪があり、弱さがあります。主イエスが「あなたたちファリサイ派の人は不幸だ。会堂では上席に着くこと、広場では挨拶されることを好むからだ」(11:43)と指摘しておられたように、人の目を気にする人間の愚かさ、弱さが入り込みました。戒律や掟に忠実であろうとすることが、人からよく見られることを喜ぶ心と結びついて、実のところ、人の評価を求める生き方に陥っていた。本来は神の御言葉に従うことを求めて、戒律や掟に忠実であろうとしたのです。けれども、それが自分を誇ることになり、実際には人目を気にする生き方になる。こうして、表では神に忠実であろうとして、実のところ、裏では人の評価を求める生き方になっていること。ここに彼らの偽善があります。神を恐れるのではなく、人の目を恐れて、見栄えよく自分を取り繕う生き方になっていたのです。

 主イエスは、このパン種から解き放たれて、人目を恐れることから自由になるよう求めて、「地獄に投げ込む権威を持っている方」をこそ恐れなさいとおっしゃいます。私たちは心に留めなければなりません。真実に私たちをさばくお方は、まさに生けるまことの神お一人です。私たちは、やがてだれもがこのお方の御前に立たなければならないのです。

 しかし、主イエスのこのあとの言葉は少々不思議です。「この方を恐れなさい」と言って生けるまことの神を恐れるよう求めて、続いて主イエスがおっしゃることは「恐れるな」です。二アサリオンで売られる雀の一羽さえ神がお忘れになることはないと言って、「恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている」とおっしゃいます。

 この点で、「友人であるあなたがた」とおっしゃることに目を留めましょう。主イエスはおっしゃいました。「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」(ヨハネ15:13)。まさに主イエスは、私たちを愛して、私たちの友となり、友のために自分の命を捨ててくださいました。まことに恐れるべきお方の前に、私たちの代わりに立ってくださり、十字架につけられてくださった。神を恐れるよりも人を恐れて繕ってしまう罪と弱さ、愚かさをすべて引き受けて、滅ぼされてくださった。そうして、神の愛と憐れみが私たちに残されました。ですから、まして神に愛されて、雀よりもはるかにまさっている私たちが忘れられることはない。髪の毛までも一本残らず数えられて、守り支えられている。

 ですから、人を恐れるのではなく、人目を気にするように神のさばきを気にするのでもありません。もちろん、神を畏れ敬うことは大切です。神は神であられ、ほめたたえられるべきです。けれども、主イエス・キリストによって罪赦されたゆえに、神の御前にありのままでいてよいのです。頑張って背伸びをする必要はなく、自分など大したことはないと自己卑下してしまう必要もありません。神の愛と憐れみに信頼すればよい。そうです。ファリサイ派の人々のパン種とは、神の愛と憐れみを見失って、自分の力に頼ることにあります。自分の力に頼るから、自分を取り繕うことに陥るのです。そうではない。自分を取り繕うことなく、ただ神の愛と憐れみに依り頼みます。人は、神の愛と憐れみに支えられていることを知ってはじめて、真実に平安の内に生きることができるのです。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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