日曜朝の礼拝「神の言葉を殺さないために」

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神の言葉を殺さないために

日付
説教
望月信牧師
そこで、律法の専門家の一人が、「先生、そんなことをおっしゃれば、わたしたちをも侮辱することになります」と言った。イエスは言われた。「あなたたち律法の専門家も不幸だ。人には背負いきれない重荷を負わせながら、自分では指一本もその重荷に触れようとしないからだ。(45,46節)ルカによる福音書 11章45節~54節

 時おり皆さんに申し上げることに、信仰と信念は違うものだということがあります。神様のこと、信仰のことを学んで確信を持つことはとても大切なことです。ところが、その自分の到達したところで固定化してしまい、まるで自分の手の中に握りしめるようなものとなってしまう。そういう意味で信念という言葉を用いています。その信念を貫こうとするとき、周りを非難し、さばいてしまう危険に陥ります。信仰とは決して自分の手で握りしめてしまうことができるものではありません。御言葉によって絶えず新しくされること、柔らかさが求められるものなのです。

 主イエスは「あなたたち律法の専門家も不幸だ」とおっしゃって、彼らの不幸、災いを三つ指摘されました。第一は、人に背負いきれない重荷を負わせてしまうことです。彼ら律法の専門家、律法学者は、律法を解釈して具体的に生活に当てはめる務めを担っていました。たとえば十戒の第四戒、「安息日を心に留め、これを聖別せよ。七日目は、あなたの神、主の安息日であるから、いかなる仕事もしてはならない」について、具体的に何が禁じられているのかを考えます。食事を作ることは仕事なのか。熱を加えることは仕事とみなされるそうです。もちろん、あらかじめ準備して、熱を加えない食事をすることができるでしょう。しかし、準備が間に合わないとどうなるか。彼らが助けるわけでもなく、努力が十分ではない、熱心さが足りないと指摘されるだけである。そして、背負いきれない重荷を負わせて、指一本触れないということが起こる。失敗したときに責められるばかりで、弱さに対する配慮がありません。そうして、あなたたちは背負いきれない重荷を負わせ、人を罪に定めることにさえなってしまっていると、主イエスはおっしゃいます。

 第二に、彼らがしていることは神の言葉を殺すことに等しいと指摘されます。当時、彼ら律法学者が旧約の預言者の記念碑を建てる事業を行っていたと伝えられています。それを引き合いに出して、旧約の預言者の墓を建てるとは神の言葉が殺されることに賛成しているようなものだと、主イエスは痛烈な皮肉をおっしゃいます。背負いきれない重荷を負わせることは預言者を殺すこと、神の言葉を殺すことに等しいのです。

 第三に、神の真理を知る知識の鍵を取り上げ、自分が入らないばかりか、入ろうとする人々をも妨げていると指摘されます。彼らは律法を解釈して、膨大な量の細かな規則、掟を造り上げていました。それが神の御言葉に近づくことをむしろ妨げてしまっているということです。

 熱心な信仰は尊いものでしょう。けれども、信仰が信念に変わるとき、そこで起こる不幸はたいへん深刻なものなのです。頑なになって、その人自身が不幸であるというだけではない。その信念によって人に重荷を負わせて、弱さに配慮することなく、さばくことが起こるかもしれません。御言葉は本来、人を助け、力づけるものです。ところが、人に負いきれない重荷を負わせて、さばくことになるならば、それは御言葉が御言葉として働くことを妨げているのであり、御言葉を殺すに等しいとさえ言えるのです。そしてさらに、そのような信念が信仰に入ろうとする人を妨げ、邪魔することさえ起こる。まさに不幸であり、災いです。

 私たちも信念を人に押しつけてしまう罪人です。「そうだ。言っておくが、今の時代の者たちはその責任を問われる」。そうおっしゃって、けれども主イエスはその責任を私たちに問うのではなく、ご自身、十字架につけられて死んでくださいました。主イエスは指一本触れないというのではない。ご自身のすべてをささげて、罪の責任のすべてを担ってくださいました。この主イエス・キリストに結ばれて、私たちは御言葉によって絶えず悔い改める、柔らかな信仰に生きる者とされるのです。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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