日曜朝の礼拝「内側もお造りになった神」

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内側もお造りになった神

日付
説教
望月信牧師
イエスはこのように話しておられたとき、ファリサイ派の人から食事の招待を受けたので、その家に入って食事の席に着かれた。ところがその人は、イエスが食事の前にまず身を清められなかったのを見て、不審に思った。主は言われた。「実に、あなたたちファリサイ派の人々は、杯や皿の外側はきれいにするが、自分の内側は強欲と悪意に満ちている。愚かな者たち、外側を造られた神は、内側もお造りになったではないか。(37~40節)ルカによる福音書 11章37節~44節

 ファリサイ派の人々に対するたいへん厳しい批判の言葉が書き留められています。けれども、決して主イエスは彼らを拒絶しておられるのではありません。彼らは神の民の一員であり、それゆえ、主イエスは彼らと食卓の交わりを喜んで共にされました。主イエスは、厳しい言葉で、けれども愛を込めて、過ちに気付いて欲しいと求めておられるのです。

 きっかけは、主イエスが身を清めなかったことでした。「身を清める」とは、水を入れた器に手を浸すことだったと思われます。衛生上の手洗いではなく、宗教的なけがれを取り除くことを意味します。主イエスが身を清めないのを見て、彼らは不審に思い、大いに驚きました。彼らにとって神の律法に従うことは信仰者としての当然のことです。そして、その律法に従うために細かな掟が定められていました。身を清めることは、律法を踏み外さないための掟の一つです。彼らの不審、また驚きは、彼らが律法に熱心に従おうとしていたからこそだと言えるでしょう。

 その熱心さがありながら、大きな思い違いをしていると指摘して、主イエスはおっしゃっいます。39節、「実に、あなたたちファリサイ派の人々は、杯や皿の外側はきれいにするが、自分の内側は強欲と悪意に満ちている」。外側を清めるだけではダメだということですが、彼らの思い違いが指摘されています。すなわち、けがれは外から来るものではない、けがれは私たちの内側から生じるものだということです。ですから、内側こそ清めなければなりません。さまざまな悪い考え、人を憎み争う思いは私たちの心の中から生じるのであり、内側が問われます。

 また、42節、「正義の実行と神への愛はおろそかにしている」。「正義の実行と神への愛」は、直訳すると「義と神の愛」という言葉です。「おろそかにしている」は「見過ごしている、通り過ぎている」という意味です。主イエスは、彼らが神の義と神の愛を見過ごしてしまっている、通り過ぎてしまっていると指摘されます。律法を守ることについて熱心でしたが、神の義と愛を見過ごしてしまうことが起こっている。

 彼らももちろん、内側を整えるために外側を整えようとしたのです。ところが、本来の目的が見失われて、外側を整えることで満足することが起こります。それが形式主義であり、律法主義です。外側を整えることに終始することが起こり、さらに、律法を守らなければ神の祝福を得ることができないと考えて、ひっくり返ることが起こってしまいます。そうして、律法を守らなければ神の祝福を受けることができない、むしろ神の裁きがあると考えるとき、人は律法の縄目に縛られてしまいます。信仰が人を縛り付けるものになってしまう。そうであってはならない。

 神の義と愛を見過ごしてはなりません。40節、「愚かな者たち、外側を造られた神は、内側もお造りになったではないか」。ですから、私たちの内側を神の義と愛におゆだねすればよいのです。内側をこそ神の義と愛におゆだねするのです。律法は、神の御言葉は、内側をこそ整えるために与えられました。ですから、律法に適わない、神の御言葉に適わない私たちの姿を、そのままで神の義と愛におゆだねすればよい。神の義と愛をおろそかにすることなく、自分のありのままを神の御前にさらけ出せばよい。そのとき、外側を造られただけではない、内側もお造りになった神が、私たちを造りかえてくださいます。

 こうして、神の御前にへりくだり、悔い改めることが求められています。十字架のキリストを与えてくださった生けるまことの御神が、私たちの内側をまったく新しくしてくださる恵みの神として、私たちと共にいてくださいます。私たちの信仰生活は、日ごとに悔い改めを新たにして、神の恵みによって私たちの内側を造り変えていただく歩みなのです。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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