日曜朝の礼拝「聖徒の交わり~使徒信条32~」

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聖徒の交わり~使徒信条32~

日付
説教
望月信牧師
こういうわけで、兄弟たち、神の憐れみによってあなたがたに勧めます。自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい。これこそ、あなたがたのなすべき礼拝です。(1節)ローマの信徒への手紙 12章1節~8節

 「聖徒の交わり」という言葉に、私たちはうろたえてしまうのかもしれません。自分は「聖徒」と呼ばれるのにふさわしくないと思うからです。確かに私たちは罪の赦しが必要な罪人にほかなりません。それにもかかわらず、使徒信条は、教会は「聖徒の交わり」であると告白します。

 それは、私たちの交わりのただ中に主イエス・キリストがおられるからです。ヨハネの手紙一に、「わたしたちの交わりは、御父と御子イエス・キリストとの交わりです」(1:3)とあります。「交わり」とはギリシア語のコイノニアで、共有すること、共にあずかることを意味します。日本語の「交わり」は、人付き合い、人間関係というニュアンスが強いでしょう。コイノニアには、それだけでなく、一つのものに共にあずかる、一つのものを共有して共に生きる、というニュアンスがあります。たいへん驚くべきことに、ヨハネの手紙一は、私たちがあずかるよう招かれている交わりは御父と御子イエス・キリストを共有する交わりなのだと言います。私たちの交わりの中心に神がおられる、それゆえ、私たちの交わりが「聖なる交わり」とされるのだと申し上げることができます。

 何と驚くべき神の大きな愛、神の恵みでしょう。御父は、罪の悲惨の中にある私たちを見捨てず、尊い独り子を与えてくださいました。その御子イエス・キリストも、私たちのしもべとなり、私たちに仕えて、自らの命を十字架に献げてくださいました。「わたしたちの交わりは、御父と御子イエス・キリストとの交わりです」。これは、ただ主イエス・キリストの十字架の贖いによって実現しています。主イエス・キリストの十字架で引き裂かれたお体、十字架で流された血によって贖い取られて、私たちは、御父と御子イエス・キリストとの交わりにあずかる者とされました。ここに、「聖徒の交わり」のただ一つの根拠があります。

 使徒信条の原文はラテン語で、「聖徒」と翻訳されている言葉は事物を指しても用いられます。「聖なるものとの交わり」とも理解されるのです。そのため、「聖徒の交わり」とは教会における聖なるもの、すなわち聖餐の交わりでもあると、歴史的に理解されてきました。聖餐の礼典は主イエス・キリストの十字架の贖いを指し示します。まさに主イエス・キリストの十字架の血によって洗い清められて、「聖徒の交わり」です。

 ハイデルベルク信仰問答の問55は、そのような主イエス・キリストの十字架の贖いの恵みにあずかることに加えて、「第二に、各自は自分の賜物を、他の部分の益と救いのために、自発的に喜んで用いる責任があることをわきまえなければならない」と指摘します。神の恵みによって神の聖なる交わりに加えられた私たちに、今度は自分を神に献げて生きることが求められています。「こういうわけで、兄弟たち、神の憐れみによってあなたがたに勧めます。自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい。これこそ、あなたがたのなすべき礼拝です」(ローマ12:1)。主イエスは、「受けるよりは与えるほうが幸いである」(使徒20:35)とおっしゃったお方にほかなりません。

 「聖徒」、「聖なる者たち」と言うと、いわゆる俗世間から離れるようなイメージを思い浮かべるかもしれません。けれども、それは大きな誤解です。むしろ思い起こしましょう、聖なる生けるまことの神は超越的なお方ですが、この世界を造り、造られたものを愛して、造られたものとの交わりに入られました。ご自身の愛する独り子を遣わし、その御子はへりくだって私たちの一人となり、友となり、兄弟となられました。そのようにへりくだり、交わりに生きてくださるところに神の聖さがあります。私たちも、喜びと感謝をもって与えられた恵みを周りの人と分かち合い、主イエス・キリストに仕える交わりの内に歩んで参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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