日曜朝の礼拝「聖霊の降臨」

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聖霊の降臨

日付
説教
望月信牧師
五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。(1~4節)使徒言行録 2章1節~13節

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 ペンテコステは、旧約の過ぎ越しの祭りから五十日目のお祭りです。一つには、小麦や果物の収穫を主なる神に感謝してお祝いされました。そして、もう一つ、モーセがシナイ山に登り、主なる神から律法を与えられたのが、主の過越から五十日過ぎた頃だったと言われます。そのため、十戒をはじめとする神の律法を与えられた恵みを思い起こす記念の祭りとしても祝われました。五旬祭、ペンテコステは、神の律法、神の御言葉が与えられたことを記念するお祭りでもあるのです。

 弟子たちが心を合わせて祈っていると、激しい風が吹いてくるような音が天から聞こえ、家中に響きました。炎のような舌が分かれ分かれに現れて一人ひとりの上にとどまり、弟子たちは聖霊に満たされて、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話し出しました。その物音に驚いて集まって来た、さまざまな国から帰ってきていたユダヤ人は、自分たちの故郷の言葉が話されているのを聞いて言いました。「話をしているこの人たちは、皆、ガリラヤの人ではないか。どうしてわたしたちは、めいめいが生まれた故郷の言葉を聞くのだろうか。彼らがわたしたちの言葉で神の偉大な業を語っているのを聞こうとは」(2:7,8,11)。

 「舌」とありますのも「言葉」とありますのも、ここで用いられているのはグローッサというギリシア語です。グローッサは「舌」という意味でも「言葉」という意味でも用いられる、舌を用いて話すことと結びついている「言葉」です。すなわち、聖霊が降り、話して声となる言葉が与えられたのです。それゆえ、弟子たちは、世界のさまざまな国と地域の言葉で話し出し、神の偉大な御業が一人ひとりに分かる言葉、また、一人ひとりが聞き取ることができる言葉で伝えられることが始まりました。話して声となる、それは同時に、聞かれて理解できるということです。聞かれて理解できる言葉で伝えられることが始まったのです。

 その頃、弟子たちは主イエスを裏切ったイスカリオテのユダに代わる使徒を選んだばかりでした(使徒1章)。主イエスを裏切ったのは決してユダだけではありません。弟子たちは、自分たちの痛みのある過去と向かい合う中で、マティアを選び出したのです。そのようにして、自分たちの罪と向かい合う中で与えられたのが、聖霊降臨でした。それゆえ、聖霊が与えられて、弟子たちは、罪人にほかならない自分の存在が受け入れられていること、本当に罪を赦されて、主イエスの弟子としてあらためて召されていることを悟りました。そうして、弟子たちは、主なる神への感謝の思いが満ちあふれてきて、話さざるを得なかった。聖霊が語らせるままに、ただ自分の国の言葉だけでない、知っている限りのあらゆる言葉を用いて、罪の赦しの恵みを語らざるを得なかった。

 私たちも、罪の赦しの恵みを語ることへと招かれています。今、集まって礼拝することが難しく、教会で一緒に食事をすることもできません。その中で、私たちはネット中継でも何でもよい、御言葉に聞く礼拝に固く立ち続けます。そして、その礼拝から、私たちの互いに励まし合う生活が始まります。そこでグローッサの言葉を手放してはなりません。主なる神は、私たちにも話す言葉、舌による言葉を与えてくださっています。それがペンテコステです。聖霊を与えられ、罪の赦しと新しい命をいただいて、福音に根ざす言葉を語ることは、今のこの時も決して奪われていません。伝道集会はできなくてもキリストを証しすることはできるのであり、痛みや悲しみを分かち合うこと、執り成して祈ることも、離れていてもできます。そのために、私たち一人ひとりに聖霊が与えられました。聞く人に届く言葉、聞く人が分かる言葉で人を励ますことができるのは、主の恵みを味わい知った私たち一人ひとりにほかなりません。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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