日曜朝の礼拝「十字架を背負うお方」

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十字架を背負うお方

日付
説教
望月信牧師
人々はイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというキレネ人を捕まえて、十字架を背負わせ、イエスの後ろから運ばせた。民衆と嘆き悲しむ婦人たちが大きな群れを成して、イエスに従った。イエスは婦人たちの方を振り向いて言われた。「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。(26~28節)ルカによる福音書 23章26節~31節

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 主イエスは、自分が打ち付けられる十字架を背負わされ、見せしめのために町中を練り歩かされて、処刑場まで連れて行かれました。繰り返し鞭打たれて、主イエスの体からは体力が奪われていたでしょう。そのため、道の途中で主イエスは疲れ果てて倒れてしまいました。こうして、ちょうどその場にいたキレネ人シモンが引っ張り出されました。

 この「キレネ人」とは人種や民族ではなく、エジプトのキレネ地方の出身ということです。キレネはバビロン捕囚によって散らされたユダヤ人が住み着いた場所の一つです。おそらく彼はイスラエルの民に属しており、過越祭に来て、主イエスの十字架の道行きに出会ったのでしょう。人間的にはまったくの偶然ですが、主イエスの十字架を背負わされて、シモンは不思議な神の御業を経験することになりました。主イエスは「自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい」と弟子たちに教えておられました(ルカ9:23)。私たちはそれぞれ自分の十字架を背負って主イエスに従います。シモンは、主イエスの十字架を背負うことを通して、自分の十字架、彼自身の十字架を背負うことへと導かれたのです。

 27節から、民衆と嘆き悲しむ婦人たちが登場します。この婦人たちについて、一つには、主イエスに仕えていた女性の弟子たちが嘆き悲しんで泣いているという理解があります。もう一つには、泣き女が泣いているという理解があります。当時、わあわあと泣いて嘆きを示して亡くなった人を葬る、「泣き女」という風習がありました。ここでは、まだ死んでいない主イエスに対して、すでに死んでしまったかのように泣いて見せたのであり、これは処刑される者に対するあざけりだという理解です。どちらなのか、はっきりしたことは分かりません。いずれにせよ、主イエスがおっしゃったことは、泣き方が違っているということです。

 「わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子どもたちのために泣け」。ですから、主イエスのことを悲しみ、その痛み苦しみに同情して泣くのではない。もちろん、あざけって泣くのでもありません。主イエスが求めておられる涙は悔い改めの涙です。なぜ主イエスが十字架を背負われるのかを思い巡らして、私たち自身のための十字架であると気づくことが必要です。主イエスは私たちの負うべき十字架を背負って苦しまれたのであり、自分の罪について泣くことが求められています。

 この点で、キレネ人シモンは、おそらく、この悔い改めの涙を流したのです。最初は、「いったいどうしてこんな目に」と、突然襲ってきた不幸を嘆いたでしょう。けれども、主イエスの十字架を目の当たりにして、なぜこのお方が十字架につけられるに至ったのか、思い巡らすことを迫られたのです。主イエスの歩みについて弟子たちに教えてもらったかもしれません。そうして、彼は、主イエスには真実には罪がないこと、罪がないにもかかわらず十字架にかかられたのだと信じるに至ったのでしょう。その十字架は、この愚かな自分のためのものにほかならない。私たちを罪から救い出すために、三位一体の神が尊い御子イエス・キリストを十字架の死に引き渡すほどの大きな犠牲を支払ってくださったのだ。そのことを知って、彼は自らの罪と愚かさを嘆いて泣いたのです。

 私たちも、自らの罪と愚かさを知って、悔い改めて泣きます。神の御子が十字架につけられるほどの、罪深く惨めな自分なのです。けれども、その涙は決して悲しみの涙で終わることがない、感謝と喜びの涙に変えられる。それが主イエス・キリストの約束です。そのために、私たちは十字架のキリストのみもとに立ち、キリストを仰ぎます。その御言葉に耳を傾けて、日ごとに悔い改めと信仰を新たにします。そこに、自分の十字架を背負って主イエスに従う、私たちの新しい歩みがあります。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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