日曜朝の礼拝「死にて~使徒信条17~」

日本キリスト改革派 鈴蘭台教会のホームページへ戻る

死にて~使徒信条17~

日付
説教
望月信牧師
昼の十二時になると、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。三時にイエスは大声で叫ばれた。「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。(33, 34節)マルコによる福音書 15章33節~41節

この説教要約には音声ファイルはありません

 救い主イエス・キリストは死なれたお方です。このことは、大いに驚くべきことです。主イエス・キリストは、人となられたとはいえまことの神であられ、罪もけがれもないお方です。本来、死すべきお方ではないと思われるのです。

 使徒信条は「死にて葬られ」と語ります。けれども、これは真実には人間の事柄、私たちの事柄です。「罪が支払う報酬は死です」(ローマ6:23)とあるように、死は罪の報いだからです。私たちは、神によって造られ、神の御声に聞き従うべき存在です。ところが、私たちは神から離れて、神に敵対する者となりました。死は、その罪の報いなのです。

 最初の人アダムとエバは、エデンの園で、どの木からも取って食べることができました。ただし主なる神は、「善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう」(創世記2:17)とおっしゃいました。このことを通して、神と向かい合い、神の御言葉に聞き従う従順が求められたのです。ところが、人は誘惑に負けて、善悪の知識の木から取って食べました。木の実に物質的な意味で毒があるわけではありませんから、肉体的にただちに死んだのではありません。けれども、真実にはただちに人は死にました。すなわち、人は神の御前に立つことができなくなりました。主なる神が園の中を歩く音を聞くと、男と女は神の御顔を避けて隠れます(同3:8)。この後、男と女は神から罪を指摘され、呪われ、エデンの園から追い出されます。肉体的にはなお生き続けましたが、その鼻に命の息を吹き入れられて生きる者とされた、神の御前に生きる存在としての命は失われたのです。

 こうして、死とは第一に霊的な死であり、神への不従順と不信仰に対する神の裁き、刑罰です。そして、アダムとエバはなお肉体的に生かされましたが、やがて朽ちて塵に返る日を迎えました。アダムの子である私たちも、霊的な死の状態にあるのであり、神との交わりを失った苦しみと痛みの中で肉体の命を生き、やがて朽ちて塵に返る日を迎えます。これが肉体の死です。これらの死から逃れることは誰にもできません。

 しかし、もう一つ、申し上げなければなりません。「今から後、主に結ばれて死ぬ人は幸いである」(黙示録14:13)と言われる、もう一つの死があります。主イエス・キリストが十字架につけられて、死んでくださいました。それゆえのもう一つの死です。主イエス・キリストは、人となられたまことの神であり、御父との交わりの中で、霊的な真実の命を生きたお方です。そのお方が私たちに代わって罪の刑罰を受けて死んでくださいました。十字架の死は、肉体の死だけでなく、霊的な死でもあります。主イエス・キリストは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」と叫び、罪の刑罰としての決定的な死を味わわれました。それゆえ、主イエス・キリストに結ばれている者は罪に対して死んだ者とみなされます。私たちは主イエス・キリストに結ばれて、罪に対して死に、キリストにある新しい命に生きる者とされました。ここに、主イエス・キリストの死によって与えられる、新しい命の恵みがあります。

 実に、このキリストの死によって、私たちは罪の支払う報酬としての死から解き放たれています。何という驚き、何という喜びでしょう。私たちは、なおひとたび肉体の死を味わわなければなりません。しかし、それはもはや神の刑罰ではありません。神の刑罰は主イエス・キリストの十字架においてすべて「成し遂げられた」(ヨハネ19:30)のであり、私たちキリスト者にとって、死は神を喜びとして生きる新しい命の入口にほかなりません。もはや死はなく、苦しみも嘆きもありません。死は永遠の命の入口へと変えられました。こうして、私たち信仰者は、死んでも生きる、とこしえの命の希望を持って生きる者とされています。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

礼拝に来てみませんか?

鈴蘭台教会の日曜礼拝は10時30分から始まります。この礼拝は誰でも参加できます。クリスチャンでなくとも構いません。不安な方は一度教会にお問い合わせください。

ホームページからでしたらお問い合わせフォームを。お電話なら078-592-6875まで。お電話の場合、一言「ホームページを見たのですが」とお伝えくださると、話が伝わりやすくなります。