日曜朝の礼拝「我らの主~使徒信条11~」

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我らの主~使徒信条11~

日付
説教
望月信牧師
こうして、天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまずき、すべての舌が、「イエス・キリストは主である」と公に宣べて、父である神をたたえるのです。(10,11節)フィリピの信徒への手紙 2章6節~11節

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 「我らの主」と言われる「主」は、固有名詞ではなく関係性を言い表す言葉です。「我らの主、イエス・キリスト」とは、「イエス・キリストを自分の主とする」ということです。そして、「主」という言葉のもっとも中心的な意味は所有者、持ち主ということであり、「我らの主、イエス・キリストを信ず」とは、イエス・キリストを自分の所有者、持ち主、主人であると認め、受け入れるということにほかなりません。「主」という言葉によって、「わたしの主はイエス・キリストである」、「わたしは主のしもべにほかならない」と、自覚させられることが大切です。

 「イエスは主である」とは、もっとも簡潔な信仰告白として、新約時代から用いられてきた言葉です。「イエスは主である」と言えたならば、それは立派な信仰告白の言葉です。「イエスは主である」と告白することが信仰の始まりであり、また目当て、目標だと言えるでしょう。主イエス・キリストがへりくだって人となり、しもべとして十字架につけられてくださった。それは、私たちすべての者が「イエス・キリストは主である」と告白して、父なる神をほめたたえるためです。私たちは「イエスは主である」と告白して、御子イエス・キリストが御父の右に座しておられる天の御国に入れられ、とこしえの命を生きる者とされます。

 さて、「主」とは、イエス・キリストが私たちの所有者であることを意味します。所有者と言われると、いやな思いを抱くことがあるかもしれません。けれども、この所有者は、詩編23編に示されるとおり、憐れみ深い羊飼いであるお方です。ハイデルベルク信仰問答の問1は、「生きるにも死ぬにも、あなたのただ一つの慰めは何ですか」と問い、こう答えます。「わたしがわたし自身のものではなく、体も魂も、生きるにも死ぬにも、わたしの真実な救い主イエス・キリストのものであることです」。自分がもはや自分のものではなく、イエス・キリストのものであることにただ一つの慰めを見いだすと言うのです。

 ここには大きな発想の転換があります。私たちは、多くの場合、自分が自分の主人であると考えて、自分の思うままに生きています。けれども、真実にはそうではないと言うのがハイデルベルク信仰問答であり、聖書です。しばしば私たちは人生を重荷に感じます。生きることが苦しくなります。それは、本来、神に背負われるべきものを、自分で背負おうとしているからです。神を拒み、神から離れて生きようとするがゆえに、人生が重荷になってしまいます。そこで神は、人生の労苦、人生の悩み深さの中から私たちを助け出すために、独り子イエス・キリストを羊飼いとして与えてくださいました。あなたがたは、もはやあなたの人生を、その命を、あなた自身で背負おうとしなくてよいのだとおっしゃってくださいます。神ご自身が私たちの人生を背負ってくださるのです。

 私たちは、羊飼いである主イエス・キリストのゆえに、自分の人生を自分の手の中から離すことができます。自分の人生を自分から解き放ち、主イエス・キリストのものとすることができます。いや、自分の人生を主のものとして、そこにこそ自分の新しい人生、神と共に生きる本来の自分の人生があります。神のもとにある本来の自分の人生をいただいて生きる、それが羊飼いであるお方と共に生きる、キリスト者の人生です。

 我らの主、イエス・キリストは、羊飼いとして私たちを導いてくださいます。それゆえ、わたしには何も欠けることがなく、たとえ死の陰の谷を行くときも、災いを恐れることがありません。地上の人生には苦しみ、悩みがあり、不条理と思われることが降りかかることがあります。けれども、主なる神が私たちを恵みと憐れみのうちに導いてくださると信じて安らぐことができます。そこに平安の内に人生を歩む秘訣があります。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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