日曜朝の礼拝「正しい人の死」

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正しい人の死

日付
説教
望月信牧師
既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。イエスは大声で叫ばれた。「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」こう言って息を引き取られた。百人隊長はこの出来事を見て、「本当に、この人は正しい人だった」と言って、神を賛美した。(44~47節)
ルカによる福音書 23章44節~49節

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 主イエス・キリストは、安息日前日の金曜日に十字架につけられました。午前9時前後に十字架につけられ、お昼の12時頃には全地が暗くなり、それが午後3時くらいまで続き、その午後3時頃、主イエスは「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます」と言って、息を引き取られました。

 主イエスの十字架刑は、神を冒瀆したという偽証に基づいています。ですから、明らかに冤罪であり、無実の罪にほかなりません。しかも、旧約聖書によると、木にかけられて死ぬことは神に呪われた死にほかなりません。神の御子また救い主であるお方が無実の罪で、神に呪われて死ななければならない。主イエスの死は、まさに太陽が光を失い、全地が暗くなるという暗闇の出来事、惨めで悲しい出来事です。

 その死に際して、ルカ福音書は、「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます」という主イエスの言葉と、「本当に、この人は正しい人だった」という百人隊長の言葉を書き留めました。これらの言葉は、主イエス・キリストの十字架の出来事を、ただ地上の事柄として理解するだけでは理解できません。主イエスは、地上においては、神をけがした罪で訴えられ、十字架にかけられました。けれども、「本当に、この人は正しい人だった」、百人隊長の口を通して、父なる御神がそう宣言しておられます。真実には主イエスは神の御前に罪もけがれもないお方です。その正しいお方が、罪の中を生きていた私たちの罪を背負い、身代わりとなって十字架につけられました。「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」と叫び、父なる御神に見捨てられる苦しみまで味わってくださいました。そうして、「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます」とおっしゃって、御自分を、また御自分が身代わりになった私たちのことも、そのいっさいを御父にゆだねられた。こうして、地上の事柄を超えた神の御業、私たち罪人を罪から贖い出す神の御業が成し遂げられました。

 主イエスは、こうして、苦しみの中でも御父を信頼して御自分をおゆだねになる、御父への徹底した信頼を明らかにされました。この点で、主イエスは私たちの信仰のよき模範です。聖霊を与えられて、私たちも主イエスと一つにされて、御父への徹底した信頼に立つのです。たとえ苦しみの中でも、神の御姿が見えないように思うときにも、なお神を神とあがめて、信じることに立つ。そこに真の信仰があります。十字架にかけられた主イエス・キリストは、私たちの信仰の姿勢を正して、まっすぐな姿で神の御前に立つことへと、私たちを導きます。

 「本当に、この人は正しい人だった」。この言葉は、ローマの百人隊長の口に与えられた賛美の言葉、信仰告白の言葉です。彼は異邦人でありながら、主イエスの死の証人とされて、「本当に、この人は正しい人だった」と告白しました。この言葉は、彼が、主イエスの十字架に神の御業を見たことを明らかにしています。主イエスが苦しみの中で御自身のすべてを神にゆだねて息を引き取られた。それを見て、決して犯罪人の死ではない、罪人の罪を背負って「正しい人」が死なれたのだと、告白せざるを得なかった。十字架の死に神の御業を認めたのです。

 福音書は、十字架に神の御業を見た最初の信仰者は異邦人だったと書き留めます。そして、私たちは、この百人隊長に続くよう招かれています。主イエス・キリストの十字架は決して終わりではなく、始まりです。見物に集まっていた群衆は、主イエスをののしっていたでしょう、けれども、もはや胸を打ち、心痛めて帰って行くほかない。私たちも、十字架のキリストを仰いで神の御業を見て、心痛めること、悔い改めることへと導かれます。十字架につけられた主イエス・キリストこそ、私たちがお迎えすべき、ただお一人のまことの王、まことの救い主であられます。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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