日曜朝の礼拝「幼子への福音」

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幼子への福音

日付
説教
望月信牧師
そのとき、イエスは聖霊によって喜びにあふれて言われた。「天地の主である父よ、あなたをほめたたえます。これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました。そうです、父よ、これは御心に適うことでした。(21節)
ルカによる福音書 10章21節~24節

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 この箇所は非常に貴重な箇所です。一つには、主イエスの祈りの言葉が書き留められているからです。もう一つには、主イエスの感情が明らかにされて、主イエスの喜びが示されているからです。主イエスは、祈りの中で、御父に御自身の喜びを率直に打ち明けておられます。

 「あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい」(20節)とおっしゃった主イエスは、ご自身、弟子たちの名が天に書き記されていることを喜んでおられます。これは、たとえ失敗したとしても失われることがない喜びです。主イエスは、悪霊が自分に屈服したかのように思い違いをしていた弟子たちを諫めました。けれども、天に名が書き記されるということにおいて、そのような思い違いは何の問題もありません。それは、救いが神の愛と選びに根ざすものだからです。「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ」(ヨハネ15:16)とあるように、私たちの救いは神が私たちを愛して選んでくださったということに基づいています。神の恵みとして、私たちの名前が天に書き記されたのです。この喜びは失われることがありません。

 主イエスは、続いて「これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました」とおっしゃいました。「父よ、これは御心にかなうことでした」と言って、福音の真理が知恵ある者、賢い者には隠されて、幼子のような者に示されていることを喜んでおられます。主イエスの周りに当時の知識人はあまり集まっていませんでした。ガリラヤ湖の漁師や徴税人たち、病気などで困難の中にあった人たち、この世の経済力も地位もなく、無力で名もない人たちが集まっていました。「幼子」も無力な立場の一つです。主イエスは、そのような彼らが、けれども、ただ神の憐れみのゆえに主イエスの周りに集められ、天に名前が書き記される者とされている。そのことを率直に喜ばれました。

 無力で知恵も力もない人が、神の愛と選びによって救いの恵みにあずかる。それが福音の福音たるゆえんです。能力によらず、知恵や知識によらず、業績によるのでもない。ただ神の恵みとして与えられます。ですから、決して自分たちの労苦を誇るのではない。自分が何を成し遂げたかを誇るのではない。自分の成功によって傲慢になったり、あるいは逆に失敗して落ち込んでしまうのでもない。信仰は、私たちの力や成し遂げたところによって支えられているのではありません。信仰は、ただ天からの御手によって支えられています。神が御手を伸ばされて、私たちは支えられています。神が私たちの名を天に書き記しておられるから、信仰者たり得る。これが、天の御父の御心にかなうことである。

 知恵あるもの、賢い者には隠されて、幼子のような者に示されている。これは、幼子のような素直な心、まっすぐに信頼する心が大切だということでしょう。この幼子のような素直な心は、実のところ、私たち皆が本来持っていた心にほかなりません。それを、いつの間にか、私たちは失ってしまっているのではないでしょうか。知恵や賢さを身に着けるにつれて、信頼して素直に受け取る力が損なわれてしまっているのです。知恵も賢さも、私たちが生きるために大切なものでしょう。けれども、知恵や賢さが信頼する心を妨げてしまうのであってはなりません。私たちは、本来、まっすぐに信頼したいのであり、信頼すべき相手を求めています。地上の現実の中で裏切られることを経験して、信頼することに臆病になっているかもしれません。けれども、信頼することを止めてはならない。そして、ここにまさに真実に信頼すべきお方がおられます。主イエス・キリストこそ、私たちの真に信頼すべきお方です。主イエス・キリストを見て、幼子のように信じる者は、何と幸いなことでしょうか。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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