日曜朝の礼拝「平和の福音の使者」

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平和の福音の使者

日付
説教
望月信牧師
どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい。平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もし、いなければ、その平和はあなたがたに戻ってくる。その家に泊まって、そこで出される物を食べ、また飲みなさい。働く者が報酬を受けるのは当然だからである。家から家へと渡り歩くな。どこかの町に入り、迎え入れられたら、出される物を食べ、その町の病人をいやし、また、『神の国はあなたがたに近づいた』と言いなさい。(5~9節)ルカによる福音書 10章1節~16節

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 主イエスは、「まず、『この家に平和があるように』と言いなさい」とおっしゃいました。私たちが宣べ伝えるべきは、「平和の福音」にほかなりません。この平和は、第一に垂直的な、縦の関係における平和です。主なる神、生けるまことの神との平和です。神によって造られ、命を与えられているにもかかわらず、神を忘れ、神などいない者として生きている。聖書は、神と争ってしまう人間の性質を罪と呼びます。そして、平和とは、第二に水平的な、横の広がりにおける平和です。神と争っているがゆえに人とも争い、自己中心に陥って、人をしりぞけてしまう。

 その、平和を失っている私たちに平和がもたらされた。それが「平和の福音」です。私たち自身が平和を創り出すのではありません。十字架の救い主イエス・キリストが平和をもたらしてくださいました。キリストの十字架の贖いのゆえに、私たちは神の御前に立って、もはや罪に定められることがありません。ここに「平和の福音」があります。

 二つのことを心に留めましょう。一つには、「平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる」と言われます。この「平和の子」とは神との平和を受け入れる人のことです。伝道とは、この平和の子を探し出す営みにほかなりません。主イエスは、「平和の子を創り出せ」とはおっしゃいません。平和の子を創り出すのは、主なる神の御業です。平和の福音を聞いて喜びとしてくださる方を神が備えておられる。「あなたがたを拒む者は、わたしを拒むのである」(16節)。この「拒む」とは拒み続けることを意味します。かたくなに拒み続けるならば平和の子ではないでしょう。けれども、拒むことから聞くことへと変えられることが起こる。そのような平和の子を神御自身が備えてくださいます。私たちは、その平和の子を探し出すために宣べ伝える。どなたが受け入れてくださり、受け入れてくださらないか、分かりません。また、いつ何時、どんなタイミングで受け入れてくださるか、分かりません。ですから、時が善くても悪くても、忍耐強く宣べ伝えます。

 もう一つは、「どこかの町に入り、迎え入れられたら、出される物を食べ」と言われます。この「どこかの町」とは異邦人の町が考えられています。全世界への伝道が念頭におかれていて、異邦人の町、異邦人の家庭にも平和の子が起こされます。その家にとどまるときに、出される物を何でも食べる、ということです。これは、当時のユダヤ人からしますと大きな変化でした。旧約において、きよい動物、きよくない動物が教えられていて、ユダヤ人はきよくない動物は食べなかったからです。初代教会の時代にそれを乗り越えることへと導かれましたが、主イエスはそれを先取りしておられます。ユダヤ人の家であろうと異邦人の家であろうと、出される物を何でも食べてよい。これは、ですから、食べ物のことではなく、伝道の対象のことです。ユダヤ人だから異邦人だからではない。もちろん国籍や民族のことだけでもない。私たちはしばしば自分の思いで選り好みしやすいのです。この人は聞いてくれそうだ、この人を説得するのは難しそうだ。それは私たち人間の思いであり、私たちが相手を選別してしまうようなことにほかなりません。この点で、「平和の福音」とは分け隔てしないことです。私たちは、性別や年齢、性格、家柄などから自由にされて、分け隔てなく福音を宣べ伝えます。

 実に、そこにこそ真の平和があります。私たちは平和へと招き入れられました。平和の福音に招き入れられ、私たちは分け隔てすることなく宣べ伝えるのであり、分け隔てすることなく主にある兄弟姉妹として教会の交わりを建て上げます。平和の子を探し出し、神の平和が宿る家を建て上げる。そのことに、忍耐強く、忠実に、取り組んで参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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