日曜朝の礼拝「エルサレムを目指して」

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エルサレムを目指して

日付
説教
望月信牧師
イエスは、天に上げられる時期が近づくと、エルサレムに向かう決意を固められた。そして、先に使いの者を出された。彼らは行って、イエスのために準備しようと、サマリア人の村に入った。しかし、村人はイエスを歓迎しなかった。イエスがエルサレムを目指して進んでおられたからである。(51~53節)

ルカによる福音書 9章51節~56節

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 今日の箇所はルカ福音書の節目の一つです。「天に上げられる時期が近づくと」とあります。もともとの文章に「天に」という言葉はありません。単に「上げられる」であり、これは昇天だけでなく、十字架を含めて理解されるべきです。「上げられる」とは、木につけられて上げられることをも意味するからです。十字架の時が近づいたことを悟って、主イエスはエルサレムに向かって出発されます。

 「決意を固められた」とは、エルサレムに向かって顔を固定されたという文章です。主イエスの旅路はなお町々村々を行き巡るものですが、主イエスはエルサレムを目指しておられ、その意味で決して脇道にそれることがありません。それは、私たちを罪から贖い出すという神の御心、神の決意がしっかり定まっているのだということです。主イエスのまなざしは罪人である私たちを見つめています。私たちを罪から救い出すことに御父の御心があり、ここに変わることのない神の愛があります。

 その旅路の第一歩として、主イエスはサマリア人の村に入られました。ガリラヤからエルサレムに向かうには、サマリアを通り抜けるのがもっとも近い道筋です。ところが、当時のユダヤ人は、サマリアを避けて、ヨルダン川の東側へと迂回するルートで行き来しました。それは、主イエスの時代、サマリア人はユダヤ人から軽蔑され差別されていて、そのため、サマリア人とユダヤ人が互いに対立していたからです。アッシリア捕囚以来の歴史的な事柄に由来しますが、サマリア人はエルサレム神殿で礼拝することを禁じられ、別の場所で礼拝しなければならないほどでした。それにもかかわらず、主イエスはサマリアを通られます。「村人はイエスを歓迎しなかった」とあります。サマリア人から歓迎されないことを主イエスがご存じなかったのではありません。いや、よくご存じだったからこそ、エルサレムを目指す最初に、サマリアを通ろうとされたのでしょう。

 ひとつには、主イエスは人を分け隔てなさいません。主イエスは、井戸辺で一人のサマリア人女性と対話され、また、重い皮膚病に苦しんでいたサマリア人をおいやしになりました。サマリア人を分け隔てしないからであり、サマリア人も神に招かれていると明らかにするためです。主イエスが上げられる十字架は、ユダヤ人のためだけでなく、サマリア人のためでもあります。それゆえ、異邦人にも開かれています。救いの恵みは人の隔ての壁を超えて差し出されていて、それゆえ、神が招いておられる方々を軽んじたり、排除したりすることは、許されていません。

 もうひとつ、主イエスは、「天から火を降らせて、彼らを焼き滅ぼしましょうか」と提案したヤコブとヨハネを厳しく戒められました。福音とは、敵意に対して敵意で答えるものではないからです。また、力で目に物見せてやるという仕方で示されるものでもありません。福音とは、力や恐れによって人を動かそう、人を捕らえようとするものではありません。

 主イエス・キリストは上げられる救い主であられ、十字架につけられる救い主です。生けるまことの神は、罪を罪として、悪を悪として、処罰なさるお方ですが、その処罰は主イエスの十字架において下されます。ですから、主イエスは、天からの刑罰を求めるのではなく、むしろ敵意や憎しみを引き受けてくださいます。そこにキリストの十字架の御業があります。主イエスは敵意に対して敵意を返すことをせず、むしろそれらをご自身の身に引き受けて、善をもって悪に打ち勝たれます。ここに、真実に罪と死に打ち勝つ、十字架と復活の主イエス・キリストがおられます。この主イエスに捕らえられて、私たちは、上げられた主イエス・キリストから目を離しません。上げられた主イエス・キリストを見つめて、互いに励まし合いながら、主イエスに従う道を共に歩んで参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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