日曜朝の礼拝「止まない雨はない」

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止まない雨はない

日付
説教
望月信牧師
神は、ノアと彼と共に箱舟にいたすべての獣とすべての家畜を御心に留め、地の上に風を吹かせられたので、水が減り始めた。また、深淵の源と天の窓が閉じられたので、天からの雨は降りやみ、水は地上からひいて行った。(1~3節)

第二の月の二十七日になると、地はすっかり乾いた。神はノアに仰せになった。「さあ、あなたもあなたの妻も、息子も嫁も、皆一緒に箱舟から出なさい。すべて肉なるもののうちからあなたのもとに来たすべての動物、鳥も家畜も地を這うものも一緒に連れ出し、地に群がり、地上で子を産み、増えるようにしなさい。」そこで、ノアは息子や妻や嫁と共に外へ出た。獣、這うもの、鳥、地に群がるもの、それぞれすべて箱舟から出た。(14~19節)創世記 8章1節~19節

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 雨は、「天からの雨は降り止み」と言われるまで降っていたものと思われます。水が勢いを弱めたのは150日が過ぎてからです。ノアが601歳になり、「地上の水が乾いた」と言われます。箱舟に入ってから一年が過ぎた2月27日、主なる神が「箱舟から出なさい」とおっしゃって、ノアと家族は箱舟から出ることになりました。こうして、ノアと家族、またすべての獣と家畜は、一年余りの間、箱舟の中に入っていました。

 雨が降っている間はもちろん、降り止んでからもなかなか大地が見えず、ノアたちは希望が失われたような思いがしたのではないでしょうか。とりわけ箱舟の中では多くの動物が一緒に生活していました。動物たちが絶えず鳴き声を上げ、糞尿の匂いが満ちていたでしょう。それだけでなく、ノアたちは動物たちに餌をやり、糞尿の始末をして、動物たちのしもべのようだったのではないか。そして、これもまた裁きの一つの側面だったと思うのです。少なくとも、単純に箱舟に乗ることができてよかったと感じるものではなかった。むしろ、いつまでこの生活が続くのだろうかと思い、神の裁きの厳しさを味わう日々だったのではないか。そうして、主なる神への深い畏れへと導かれたのではないでしょうか。

 この洪水は神の裁きとしてもたらされました。それゆえ、雨が降り止み、水が減るならば、それは神の慈しみと憐れみにほかなりません。このとき、主なる神がノアと家族、すべての獣、すべての家畜を御心に留めてくださいました。神は罪と悪を悲しみ、取り除くだけではありません。ご自身の造られたものを愛して、御心に留めるお方です。それゆえ、ノアとその家族、また獣や家畜たちのことを御心に留めて、神は地の上に風を吹かせられます。そうして、雨が止み、水が引き始めました。

 第二の月の27日になり、「すっかり乾いた」と言われます。この「乾いた」は、創世記2章9節で「天の下の水は一つ所に集まれ。乾いた所が現れよ」と命じられる「乾いた」です。この乾いた所が「地」と呼ばれ、草を芽生えさせ、実をつける果樹を芽生えさせる大地となります。主なる神は、すべての命の土台となる新しい大地を備えてくださいました。それらを備えてはじめて、主はおっしゃいます。「さあ、あなたもあなたの妻も、息子も嫁も、皆一緒に箱舟から出なさい」。

 主なる神は、こうしてノアとその家族を御心に留めてくださいました。主なる神は、厳しく裁くお方ですが、けれども憐れみ深いお方である。雨が降るたびに、わたしはそのことを思い起こします。神の裁きの雨さえ止むのですから、止まない雨はない、そう思います。

 「思い起こす」と申しましたが、「心に留める」ことと「思い起こす」ことは一つのことです。主なる神が御心に留めてくださいます。その御心に留めてくださる神に応えて、私たちも主なる神を思い起こします。箱舟の中で動物のしもべのようになりながらもノアと家族が懸命に生きた、それはまさに神を思い起こしたから、耐え忍ぶことができたのでしょう。ノアたちにとって、烏を放し、鳩を放すこと、これは主の御心を求める行為であり、主が新しい大地を造り出してくださる日はまだかと必死に祈り求めたのではないでしょうか。烏を放ち、鳩を放つ。それは、彼らにとって神の御心を求める礼拝の営みであったと言うべきでしょう。

 「見よ、地の面は乾いていた」。けれども、ノアはすぐに箱舟から外に出ようとはしませんでした。主なる神がノアに「箱舟から出なさい」とおっしゃってはじめて、ノアは箱舟から外に出ます。そこには、神の御心を待ち望み、神の御心に従おうとする、ノアの信仰が表れています。主なる神が私たちのことを御心に留めてくださる。それゆえ、私たちも主なる神を思い起こして、神の御言葉に聞き従う信仰に生きるのです。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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