日曜朝の礼拝「子どものように生きる」

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子どものように生きる

日付
説教
望月信牧師
イエスに触れていただくために、人々は乳飲み子までも連れて来た。弟子たちは、これを見て叱った。しかし、イエスは乳飲み子たちを呼び寄せて言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」ルカによる福音書 18章15節~17節

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 「(子供たちを)妨げてはならない」。極めて単純なことですが、子どもも神のまなざしの中に置かれて、神の民の中に数えられているからです。神の民は神の家族だと言われます。家族にはおとなだけでなく子どももいます。赤ん坊がいればお年を召した方、病の中にある方もおられる。教会はそのような神の家族であり、それゆえ、子どもを妨げてはなりません。礼拝のとき、子どもの声や物音が何一つ聞こえないならば、それは何かが根本的に違っていると言わざるを得ないでしょう。

 実のところ、ここで招かれているのは子どもだけではありません。子どもは自分の力で生きることができず、その意味で、無力で弱さを負っている「小さな者」です。そして、「小さな者」は決して子どもだけではありません。実に、子どもたちを招く主イエスの言葉は、自らの小ささや無力を嘆かないではおれない私たち一人ひとりに対する招きです。高齢の方々、心身に弱さや障害を担う人たちも招かれています。言うならば、子どもたちは「小さな者」の代表として招かれているのです。

 教会は、地上の実力主義の支配するところではなく、神の恵みの支配するところです。主なる神は、私たち罪人を愛して、ご自身の独り子を与えてくださいました。それは、私たちが何かできるできないではなく、恵みとして十字架のキリストを与えて、私たちを御自分のものとしてくださいました。主なる神は、ただ恵みによって、小さな者である私たちを招いてくださいます。そうして、神の御前に何の取り柄もない私たち小さな者が神の御前に立たせられています。その意味で、子どもと言うならば、私たち皆が神の御前に子どもです。教会では、おとなも子どももなく、だれもが子どもとして、主イエスの前に招かれています。

 さて、「子どものように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない」と言われます。「受け入れる」。幼い子どもは「手を出して」と言われると、期待して手を出し、与えられるものをそのまま受け取ります。成長するに従い、「ただほど恐いものはない」と考える知恵がつきますが、それはむしろ心のよごれと言うべきでしょう。信頼して裏切られる経験を重ねて、人を信頼することに臆病になってしまうのです。その点、子どもには素朴に信頼する力があります。

 人間は、真実には、信頼すること、信じることによって生きる存在です。信じること、信頼することをやめたとたん、人間のお互いの関係は破れてしまいます。それゆえ、私たちは、どれほど傷つくことがあっても、破れることを味わっても、信じること、信頼することをやめてはなりません。それが、主イエスが教えておられることです。実に、主イエスは、信じる、信頼するということを、ご自身の生涯をかけて証ししてくださいました。それは、御父を信じて従い抜かれたのであり、罪人である私たちを信じて、ご自身の命さえ私たちに与えてくださいました。主イエスの復活は、信じること、信頼することに真実の力がある、勝利があるということの証しにほかなりません。

 私たち人間には、疑問を持つ力、疑う力が与えられています。それも主なる神からの賜物です。ですから、疑うことを捨て去るのではありません。けれども、疑うことが人生を切り開くのではありません。人生を切り開くのは、信じること、信頼することです。ですから、疑うことを知った上で、けれども「子どものように」生きるのだと主イエスはおっしゃいます。信頼して受け取る。そこでこそ神の国を受け取ることができます。子どもは、その存在によって、この「受け入れる」という大切なことを私たちに教えてくれます。その子どもの存在を喜び、子どもを通して神の子どもとしての生き方を学ぶものでありたいと願います。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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