日曜朝の礼拝「神でありながら僕になり」

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神でありながら僕になり

日付
説教
望月信牧師
キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。(6~8節)フィリピの信徒への手紙 2章6節~11節

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 今日の箇所は、初代教会で歌われていた賛美歌の一部をパウロが手を加えながら引用したと考えられている、たいへん大切な御言葉です。今日は、キリストのへりくだりを取り上げている前半に目を留めます。

 まずパウロは、「キリストは、神の身分でありながら」と言って、主イエス・キリストが御父と等しいまことの神であると言い表します。「身分」と訳されたギリシア語ではモルフェーで、形や形式と翻訳されることの多い言葉です。しかし、ただ外見的な形を指すだけでなく、中身や本質を映し出すものとしての外見、形を意味します。キリストは御父とまったく同じ本質のお方です。「かえって自分を無にして」とはすべてを投げ捨てることを意味します。神であるとは、知恵も力もあり、威厳も栄光もある、すべてに満ち満ちておられるのです。そのすべてを投げ捨てて、「僕の身分になり、人間と同じ者になられました」。この「身分」もモルフェーです。ただ外見の形ではなく、中身、本質を含めた、全体としての形です。キリストは、神である本質を投げ捨てて、しもべの形、僕そのもの、僕を本質とするお方になられ、人間と同じ者になられました。

 「神の身分でありながら」に続くのは、普通に考えるならば「人間の身分になり」でしょう。けれども、「僕の身分になり」と言います。これは、キリストにとって人間になるとは僕になることを意味したということです。この点で、私たちが人間であるということと、キリストが人間になられるということには、大きな違いがあります。一つには、私たちはそもそも神の被造物ですが、キリストは神であられ、造り主の側におられ、この世界の秩序の外におられるお方です。そのお方がこの世界の秩序の中に来て、負うべきものをすべて背負ってくださいました。

 もう一つには、人間はすでに罪の奴隷となり、罪の悲惨に苦しんでいたのです。ですから、主御自身は罪のないお方ですが、罪の奴隷としての立場をも引き受けてくださったのです。「それで、イエスは、神の御前において憐れみ深い、忠実な大祭司となって、民の罪を償うために、すべての点で兄弟たちと同じようにならねばならなかったのです」(ヘブライ2:17)。パウロが「人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした」と言うとおり、主イエス・キリストのへりくだりは十字架の死を目指して成し遂げられました。キリストは、十字架の死に至るまで、御父に対して、また私たち罪人に対しても従順で、徹底して僕であられた。そうして、私たちの罪の償いを成し遂げてくださいました。それは、主が私たちを愛してくださったからです。主イエス・キリストは、主なる神は、私たちのことを愛して、愛し抜いてくださった。キリストの十字架はその表れにほかならない。まさに神の愛が形となって、その本質が十字架のキリストに示されたのです。

 この主イエス・キリストに目を向けて、私たちもへりくだります。一つには、十字架のキリストを仰ぐときに、神の御前にはもちろん、誰に対しても自らを誇ることのできる自分ではないと深く示されます。そうして高ぶることから解き放たれて、へりくだりの歩みが始まります。もう一つには、私たちがどなたかと共にいたいと考えるのは、普通、その方のよいところ、長所を認めて、共にいたいと思うのでしょう。けれども、キリストはこのわたしの欠けたところ、醜いところを受け入れて、共にいてくださいます。弱さを背負って共にいてくださるのです。ですから、私たちも、互いの欠けたところ、弱さを受け入れて、その痛みや苦しみにおいて共にいる、一つである。キリストがそこに立っておられるゆえに、そこに共に立つことへと導かれる。そこにへりくだりがあります。この十字架のキリストこそが私たちのただ一つの慰め、また励ましなのです。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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