日曜朝の礼拝「度を越えて愛する愛」

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度を越えて愛する愛

日付
説教
望月信 牧師
「だから、言っておく。この人が多くの罪を赦されたことは、わたしに示した愛の大きさで分かる。赦されることの少ない者は、愛することも少ない。」そして、イエスは女に、「あなたの罪は赦された」と言われた。(47、48節)ルカによる福音書 7章36節~50節

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 一人の女性が主イエスの足を涙でぬらしています。彼女は主イエスの足に接吻し、持って来た壺から香油を注いで足に塗りました。これはたいへんはしたないことでした。そのためシモンは思いました。「罪深い女なのに」。彼女は遊女として知られていて、そのため、「罪深い女」と言われます。しかし、明らかに彼女は主イエスとこのとき初めて出会ったのではなく、これより以前にどこかで主イエスとの出会いを経験し、しかも主イエスによって人生を変えられていたものと思われます。すなわち、彼女はもはや「罪深い女」ではない。けれども、世間はまだ彼女を疑いの目で見て、「あの女は罪深い女だ」と言い続ける。この出来事は、そのように理解されます。

 主イエスはシモンに対して「この人を見ないか」とおっしゃいました。シモンがこの女性を見ながら、しかし真実には見ていなかったからです。主イエスは「本当の意味でこの人を見なさい」と求めておられます。それは、彼女を本当に見ているならば、彼女の愛が分かるはずだということです。すなわち、この女性の示す主イエスへの愛です。彼女は主イエスと出会って人生を大きく変えられました。方向転換したのです。そのことへの感謝から主イエスを愛する者とされました。その愛からあふれ出るわざとして、主イエスの足を涙でぬらしています。そうであるならば、彼女の素性や過去が問題なのではない。彼女は確かに多くの罪を犯してきたかもしれない。けれども、その分、多くの愛があるではないか。

 福音書がここで私たちに伝えるメッセージはただ一つです。けれども、決定的に大切なただ一つです。すなわち、信仰とは愛することだということです。神を愛することであり主イエスを愛することなのです。この愛するということのない信仰は信仰ではない。愛のない信仰は生きた信仰ではあり得ない。それは、どれほど聖書をよく学び、どれほど立派な信仰生活をしていても、愛のない信仰は信仰ではあり得ない。

 彼女は、確かに多くの罪を犯してきた罪深い女性なのでしょう。けれども、犯した罪が大きい分、罪赦されて受け入れられた喜びもとても大きいものであった。その喜びと感謝で自分がはじけ飛んでしまって、主イエスの足を涙でぬらしている。高価な香油も人が見れば無駄遣いに思えるかもしれません。しかし、それでもかまわない。主イエスに感謝し主イエスを愛して、香油を注ぐことで感謝と愛をあらわしたいと思った。

 ここには合理的理性的な判断を越えた愛の行為があります。実に、愛するとは、その本質として、合理的理性的な判断の限界を越えて愛する、度を越えて愛することをともないます。この女性は、その愛ゆえの衝動に突き動かされて、主イエスの足元にひざまずきました。主イエスは、その愛をたいへん喜び、「あなたの罪は赦された」、「あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい」とおっしゃいます。主イエスを愛する愛によって新しくされて歩むことへと彼女を力づけ、励ましておられるのです。

 度を越えた愛、限度を越えた愛、それはとりわけ生けるまことの神が示してくださった愛にほかなりません。すなわち、私たち罪人のために独り子イエス・キリストをも惜しむことなく与えてくださった神の愛です。主なる神、天の父なる神こそ、あらゆる計算抜きで私たちを愛してくださるお方です。その究極の愛のかたちが十字架です。その十字架の愛に基づいて、主なる神は私たちに愛を求めておられます。神を愛しなさい。主イエス・キリストを愛しなさい。また、互いに愛し合いなさい。愛することこそが生きた信仰の現れなのです。それゆえ、愛を祈り求めて参りましょう。聖霊の賜物としての愛をいただいて、主イエスを愛し人を愛する者として、励まし合って歩んで参りましょう。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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