日曜朝の礼拝「目を上げて、見渡すがよい」

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目を上げて、見渡すがよい

日付
説教
望月信牧師
主は、ロトが別れて行った後、アブラムに言われた。
「さあ、目を上げて、あなたがいる場所から東西南北を見渡しなさい。見えるかぎりの土地をすべて、わたしは永久にあなたとあなたの子孫に与える。あなたの子孫を大地の砂粒のようにする。大地の砂粒が数えきれないように、あなたの子孫も数えきれないであろう。さあ、この土地を縦横に歩き回るがよい。わたしはそれをあなたに与えるから。」
アブラムは天幕を移し、ヘブロンにあるマムレの樫の木のところに来て住み、そこに主のために祭壇を築いた。(14~18節)創世記 13章1節~18節

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 アブラハムは、彼自身の大きな失敗にもかかわらず、主なる神の憐れみのゆえに豊かな財産を携えてカナンの地に帰って来ました。それは、ただカナンという場所に帰って来ただけでなく、「彼が最初に祭壇を築いて、主の御名を呼んだ場所」(4節)に帰って来たのです。アブラハムは、主の御名を呼び、礼拝することから再出発いたします。主なる神のみもとに立ち帰り、神に赦しを祈り求めて、神と共に歩もうとしたのです。

 さて、甥のロトがアブラハムと行動を共にしていました。ロトも、アブラハムと共にエジプトに下っていたのであり、アブラハムと同様に豊かな財産を得てカナンに帰って来たようです。二人はそれぞれ大きな家畜の群れを飼っていて、そのため、二人の家畜を飼う者たちの間に争いが起こりました。そのとき、アブラハムはどのように対処したのでしょうか。そこに、主なる神に仕えて歩むアブラハムの信仰の姿勢が明らかになります。アブラハムは、争うことをやめようと言って、ロトに提案します。「ここで別れようではないか。あなたが左に行くなら、わたしは右に行こう。あなたが右に行くなら、わたしは左に行こう」(9節)。

 アブラハムは年長者でしたが、甥のロトに選択権を譲りました。アブラハムが謙そんな性格だったからでしょうか。そうかもしれませんが、それ以上に、アブラハムは主なる神に栄光を帰すことを考えています。「その地方にはカナン人もペリジ人も住んでいた」(7節)のであり、神を信じる者どうしが争うことは証にならず、主の御名を汚すことになりかねません。ここでアブラハムは、平和や謙そん、親切、寛容といった、いわば聖霊の実を示すことを考えて、主の栄光を表そうとしているのです。

 アブラハムから選ぶ権利を譲られたロトは、目を上げて眺め、ヨルダン川流域の低地一帯を選んで、東に移って行きました。ヨルダン川の水によって緑豊かに潤っていたからですが、肉の目に見える豊かさを追い求めることだったと言えるでしょう。ソドムとゴモラの名前が示すような、その土地の人びとの主に対する罪の有様を考慮に入れようとはしませんでした。彼はやがて誘惑と試練の中に立つことになりますが、それは彼自身が選び取った誘惑、彼自身が招いた試練にほかなりません。

 残されたアブラハムは残された土地を選びます。それはカナンの山々であり、荒れ地と言うほかありません。しかし、主なる神は、「さあ、目を上げて見よ」とお命じになります。肉の目で見るならば砂ぼこりの舞い上がる不毛の土地です。しかし、主は「見える限りの土地をすべて、わたしは永久にあなたとあなたの子孫に与える。あなたの子孫を大地の砂粒のようにする」(15,16節)とおっしゃって、砂ぼこりの舞い上がる、その数えられない大地の砂粒ほどにアブラハムの子孫を増し加えてくださると約束してくださいます。荒れ地を前にして誰がその言葉を信じることができるだろうかと思えます。けれども、主なる神は、ただ主の御言葉に信頼する信仰をアブラハムに求めておられます。

 そして、アブラハムは、主の御言葉を信頼する信仰を明らかにして、主に応えます。「アブラムは天幕を移し、ヘブロンにあるマムレの樫の木のところに来て住み、そこに主のために祭壇を築いた」(18節)。アブラハムは神から与えられた土地カナンにとどまり、神を礼拝して歩みます。肉の目には荒れ地であるにもかかわらず、神の御言葉の内に神の祝福を見て、信じたのです。こうして、アブラハムは主なる神に依り頼む道を選び取って歩みます。そして事実、やがてアブラハムの子孫が増し加えられたように、主なる神は、たとえ荒れ地に思える場所であっても、与えられたところで主に忠実に仕えて生きる者を豊かな祝福で報いてくださいます。私たちは、この主なる神を仰ぎ、御言葉に信頼して歩みます。

説教要約について

説教要約は、説教を要約したものです。 音声は、説教要約の音声化ではなく、実際に行った子ども向けの説教と賛美歌、 聖書朗読と説教の録音です。一ヶ月程度、音声データも公開させていただきます。

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